罪の行方 / Another story.


     ◇


 世界中の〝神の遣いアリス〟の罪が、今、彼女のすべてに集約されようとしている。

 まるで、そうであるコトが、最善であるかのように。

 少女の罪は膨れ上がった。


殺戮少女アンノウンは本当に少女だった!? 金色の髪に紅い眼の少女。事件の生存者が目撃を証言する』

『推定。西方の地に未だ潜伏中か?』

『滅びたはずの〝フローレス〟。その嫡子が生存か。殺戮少女さつりくしょうじょの一味として行動を共にしているとの見解あり』

『全世界が動向を注視。〝帝都〟こと〝ローナ〟の〝ヴィル=プロイ〟。「皇帝の名において全力を以て悪意を滅する」と強硬の姿勢を取る』


 全世界でアリスの存在は明るみに出た。

 たった一人。

 すべての〝神の遣いアリス〟が行ってきた神罰のすべてを、ユキトとアリスだけが、背負う形で現状が成り立っている。


 狂気の魔女、幼き皮を被った化物の少女と、その魔女にさらわれたか、フローレスの名を冠した元少年、ユキト=フローレス。


 世界は彼女を追い詰める。

 世界は彼を追い詰める。

 結末という報いに、決着を、最期の答えを突き付けるそのために。

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