ごめんなさいが届かないところ

         雨音 

酷い事言って ごめんね ただ、あなたの気持ちが解らなくて…

視線そらして ごめんね ただ、あなたにさよならを言われる気がして…


「下を向かないで。 僕の目を見て。 何処にも行かないから」


あれは…夢、だったかな


  あなたがあたしの中に入ってくれば来るほど

  あたしの「すき」は大きくなって

  前を向くきっかけをくれたのはあなたなのに

  

  その「あなた」を見れなくなってた…


酷い事言って ごめんね ただ、あたしの気持ちが大き過ぎて…

視線そらして ごめんね ただ、あなたに心を見透かされる気がして…


「君を愛してる。 僕を信じて。 何処にも行かないから」


それを信じられたら…


  雨音 ゆっくり頬を流れる 涙がその音を消す

  あたしの「すき」は計り知れなくて

  愛を知るきっかけをくれたのはあなたなのに


  その「あなた」を信じきれなくて…


「さよなら」言われる前に、「言っちゃえ」と、

あたし、余りに臆病過ぎたよね…


  あなたを あたしは いつも何処か遠く感じて

  それでも「すき」は大きくなって

  だからつい バランス がとれなくて ユラユラして

  それを、全部、あなたのせいにしてたんだ…


  すきだったの すごく すきだったの


だけど 「ごめんなさい」 も届かないところに、来てしまった―――・・・

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ごめんなさいが届かないところ @m-amiya

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