第9話
あの後スライムを3匹
そういえばレベルが1上がったことによりステータスが少し向上した。海翔によると、レベルを上げるまでに一番使い込んだ手段が最大限強化されるようにステータスが向上するらしい。
俺はレベル1からレベル2に上がるために魔法だけを使って経験値を稼いだから、レベルを上げるのに一番使用した手段は魔法ってことになる。俺のステータスは俺が魔法を多用していたことで、魔法の攻撃力が上がるようにINTと魔法を撃てる回数が増えるようにMPが他よりも高く成長した。現にHPは2しか増えていないがMPは4増えている。
【レベル】
名前:黒鉄玲
年齢:16
性別:男
レベル:2
【ステータス】
HP:22/22
MP:24/24
STR:6
VIT:11 (+5)
DEX:6
INT:12 (+5)
MND:11 (+5)
AGI:5 (-1)
―――
SP:11
【魔法】
錬金魔法:1
―――――
今の俺のステータスはこんな感じになった。ステータスポイントもレベルが1上がると1もらえるらしいな。
「ダンジョンの壁ってのはどういう理屈かわからんが破壊ができないんだ。ドリルで掘ろうとしても無理だし、魔法で壊そうとしても無理。魔法に関してはできるのかもしれねーが、S級探索者1位ですら魔法で破壊できなかったから現実的じゃない、ってギルドが結論付けた」
「そんなに硬いのか、ちょっと黒い石の壁にしか見えないのにな」
「あぁ、だからダンジョンのマップをしっかり覚える必要があるんだ。じゃなきゃ遭難する。いざとなれば壁を壊して帰ろう、ってのができないからな」
ダンジョンについて知っておかないといけない知識について解説してもらいながらダンジョン内を歩いていく。E級ダンジョンには階層が10あり、一番下の10階層まで行くとダンジョンボスのビッグスライムがいるとのこと。ちなみに今いる階層は4階層だ。
「レベル2になったけど今の俺でビッグスライムは倒せるの?」
「ステータスはレベル1の状態でも倒せるだろうけど魔法属性の親和性が2は要るんじゃないかな。普通に魔法の威力不足で倒せない気がするぞ。1から2は割とすぐに上がるから根気よく探索者の等級上げでもやってりゃ気付いたら上がってるぜ」
「わかった...あれ?」
そんな話をしていると前方からこん棒を持った緑色の小さな人影が近づいてくる。120㎝ほどで腰布を巻いている。あれがもしかしてゴブリンなのか?いかにもって見た目だが。
「お、ゴブリンだな。ちょうどいいし今回はお手本も何もなしだ。最初から自分でやってみろ」
「えっ?!初見ソロ?」
「1年前の俺が大丈夫だったんだしお前も大丈夫だ。安心しろ、もし万が一危なくなったら助けてやるから」
「...わかった、頑張る」
「おう、行ってこい」
海翔に送り出されゴブリンと対峙する。魔物の動きをよく観察することが大事だと海翔は言っていた。ゴブリンは遠距離攻撃の手段を持たない。攻撃手段は殴りと蹴り、あと武器を持っている個体はその武器での攻撃のみ。
まだ距離が空いているので遠距離の攻撃手段を持っている俺の方が有利。先手で遠距離攻撃でも撃ってみるか?
「
手のひらから打ち出された石の弾丸はゴブリンの脳天を貫いてゴブリンは霧となって消えた。
「あれっ?」
「まあゴブリンだしな、そんなもんだよ」
あまりにもあっけなく死んだのにびっくりしたが、そうだった。ここはE級ダンジョンだ。ゴブリンもスライムもそんなに大差ある訳がない。でも心なしか魔法の威力が少し上がっている気がする。ステータスポイントは使っていないからレベルアップのお陰だろうか?
「...なんか自信出てきた」
「そうだな、E級程度なら自信持っても良いと思うぞ。でもその自信が慢心につながらないようだけ気をつけろよ」
「わかった」
確かに慢心は油断につながる。俺が今スライムやゴブリン相手に優勢に戦えてるのはこいつらがスライムとゴブリンだからだ。E級ダンジョンならば問題なく攻略できることは頭に入れつつ、D級以上のダンジョンに行くときはまた慎重にやればいいだろう。
「ホーンラビットは6階層以下にしか出現しないから、とりあえず5階層を目指していこうか、道中でゴブリンをあと2匹倒せばゴブリンのクエストもクリアだぞ」
「了解。残りのゴブリンは全部俺がやってもいいか?」
錬金術で戦いながら思いついたことがあるから試してみたいと海翔に問いかけると
「いいぞ。今回の探索は玲の錬金術を戦闘で使えるようにするためだからな」
「さんきゅー」
攻撃手段はもう1つは手に入れたから、次は防御手段を1つ手に入れたい。相手が遠距離攻撃を持っていた時などに使うつもりだ。だが石を鋭くして飛ばすだけの
「グギャ!」
「ギャー」
「っ!...おいおい」
2匹同時は聞いてない。
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