第27話

結論から話そう。

枷は上手くいった。


これにより、僕は自分の魔力をはっきりとわかるようになった。


「上手くいったみたいね。」


シーツを纏ったエリス姉様がこちらを怪しく見ていた。


「シオン。」


女になった彼女は自らの力を理解したように背中から抱きついてきた。


「今日は一緒にいましょ。」


僕は、彼女に勝てなくなってしまったようだ。

魔法の練習は明日でいいや。


僕はその日彼女の温もりに触れた。


「若いもの。朝からイチャイチャしているじゃない!」


エリサ様はご立腹なようだ。


「分かっているわ。でもなぜかこう好きという感情が抑えきれないのよね。今ならシオン君のために何でもしてあげられる感じ。」


「それって、もしかしてインキュバスとしての能力?」


どうやらエリス姉様と交わったことでインキュバスとしての能力も発現したようだ。

インキュバスの能力は異性を魅了する能力はあるがそれよりかは性の能力が上がる。それと同時に相手の能力の上昇させるということだ。


「なるほどね。それで、エリスが今のようにハイになっているということか。」


簡単にいうと能力がいきなり上がったことによる全能感ということだ。


エリサ様が作った朝食はとても美味しそうだ。


「ところでだけど。」


食べる手を止めてエリサ様は話してきた。


「夜中に連絡が来てエリナが動いたみたいなのよね。」


過激になるのが確実になったようだ。


「ではこうしているのは危ないのでは?」


「そうでもないのよ。」


「そういうことですか。」


先ほどからそこら辺に魔力を感じるとは思っていたがこれは。


「連絡があった時から護衛がついているわ。」


何はともあれこれだけいればそうそう手はだせないと思いたい。


そんでもって今登校中なのだが。


「シオン。久しぶりね。」


「えぇ。エリナ様。お久しぶりなのですが、上から退いていただけると幸いなのですが。」


「育ての親を煙たがるなんて。思春期なのかな?」


僕は、この時自分の能力を限定したことに後悔をした。


なぜなら、護衛部隊は一瞬にしてやられ魔装の子はエリナ様によって眠らされエリス姉様の結界は一瞬にして破壊されその反動によって気絶、そこからこうしてエリナ様に組み伏せられている。


「まぁ、何でもいいわ。」


上から降りていただけた。


「ねぇ。シオンくん。あなたが欲しいの。一緒に来ない?」


「それは、本気で言っているの?」


「えぇ。本気よ。」


僕は、先ほどから逃げるそぶりをしているが逃れられそうにない。

さらに他の集団により魔装の子はどこかに連れていかれた。


「話聞いている?」


エリナ様はいつの間にか横にいた。


意識を逸らしたことにより僕の目から逃れたようだ。


「やはりその目欲しいわ。」


僕はその時分かった彼女の狙いが僕であり僕の目であることを。

だから遅れた対策に。


「うん。あの時の催眠は残っているみたいね。」


だからか。彼女がいつまでも余裕だったことに僕は納得した。


「シオン!」


僕の意識はそこで覚醒した。


「あら。解けちゃった。流石ルナートね。」


「ルナ姉様。」


僕とエリナ姉様の間に入るように立った。


「エリナ様。お久しぶりです。流石にシオンに手を出すのは見過ごせません。」


エリナ様は微笑むだけで特に何も言ってこなかった。


「シオン様。」


僕の目の前になぜかあの貴族子女がいる。


「ちゃんと他の方々は捕まえさせていただきました。」


どうやら貴族の私兵によって逮捕したらしい。


「あとは、エリナ様だけですわ。」


「まさか。貴族をここまで掌握しているとわね。ちょっと想定外でした。」


どこか諦めているような言動をしているが、何か隠しているように見える。


「流石にこれでは部が悪いです。なので、撤退するのですが最後にプレゼントさせていただきます。」


僕は感じた。彼女から魔力が吹き荒れるのが。


「その魔力は。」


「この魔力は、私が新たに手に入れた能力ですわ。私が嫉妬した相手の能力に近くなるように能力を上げてくれますわ。」


確かに、ここでは彼女が一番強いことをヒシヒシと伝わった。

だからこそだ。自分がやられたことを理解出来なかった。


「エリナ様は?」


「どこに?」


確かに、ここから消えたようだ。感じられない。一瞬にして消えた。


「え?シオン様?」


だからか。さっきから何も分からなかった。


「シオン!」


どうやら核を取られたみたいだ。


「私は、これが欲しかったのよ。」


彼女は高笑いが無慈悲に現実を告げる。


「これが、完成された魔法師の核!」


魔法師の体は自分の魔法に耐えられるように出来ている。

しかし、僕は作られた存在。

魔法師の魂の定着に核は必要なものだ。

それが無くなるのだ。


「やはり、魔女の中で一際輝いている核を手に入れたわ。これで、完成した魔法師になれるわ。」


だからこそだ。今ならわかる。自分が今まで不思議に思っていたこと。あれは、縛りなのでわということすら。


「エリナァァ!」


そんなに怒らないでルナ姉様。体は重いが自由なる感じがする。

ちょっと血を流しすぎたかな。


「そこまでよ。」


「エリア母様?」


「これで、計画通りよ。」


僕は、この時見えたものは、エリア母様が一瞬にしてエリナ様を消し去ったことだ。


「ゆっくり寝なさい。」





























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