最終話
二人の部屋
光雄、大五郎、小百合がテーブルを囲んで座っている。
後ろのキッチンには土鍋とガスコンロ。
大五郎
「みっ君。僕、小百合さん以外の女に行ったら許さないから。」
小百合
「私、大五郎君以外に靡くなら許さない。」
光雄
「……。」
小百合と大五郎、光雄に迫る。
二人
「どっちにするの?」
光雄
「……えっと。」
大五郎
「男らしくないな。」
小百合
「格好悪い。」
光雄
「……俺に幻滅してないの?」
小百合
「……ずっと悩んでた訳でしょ。気付けなかった私も悪い。」
大五郎
「もがいて苦しんでるの知ってる。僕、スイッチ押しちゃったから。」
光雄
「……。」
暫くの沈黙。
光雄
「いっその事、三人で暮らすか?」
二人
「調子乗んな!クズ!」
光雄、縮こまる。
光雄
「……だって、二人、こんなに意気投合してるのに。」
大五郎
「どっちになってもお互いに後腐れなしで、相談相手になろうって約束しただけ。」
光雄
「……。」
小百合
「どっちも選ばないは無しよ。自分で蒔いた種なんだから。」
光雄
「……俺は。」
間
光雄
「選べない!」
大五郎
「……。」
小百合
「……。」
二人
「やっぱりね〜!」
光雄
「えっ?」
小百合
「光雄の答えが出るまで、ゆっくりで良いよ。」
大五郎
「それが今出せる僕達の答え。」
光雄
「……。」
大五郎
「僕は、みっ君が散々考えて出した結果なら何でも受け入れる。」
小百合
「自分と、とことん向き合ってください。」
小百合、キッチンから土鍋を持ってくる。
開くとちゃんこ鍋。
三人でつつく。
(終わり)
三角な関係。 @yuzu_dora
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