3日目 ①

もう朝の10時だ


寝るのが遅くなってしまった。私は昨日の映像が頭から離れない。


あれはおそらく殺人現場。ミサキさんを殺した。



犯人はおそらく────氷上さん。


あのメイキングを撮ってたのは氷上さんだ。アバズレンジャーのメンバーのセックスを盗撮していたのも氷上さん?一体何で?もしかして、ミサキさんは氷上さんと付き合っていたのか?そして、浮気現場を目撃してしまった?そして持っていたカメラで撮影した。


 レッドとのセックスが18日

 グリーンが19日

 イエローが20日

 最後の映像が……21日


ミサキさんの投稿が止まった日。


21日に呼び出されたのは氷上さんで、氷上さんは隠し撮りした証拠をミサキさんに見せた。そして口論の末、氷上さんはミサキさんを何かで殴って殺した。映像が残っていたのは、カメラを持っていた氷上さんが、誤って録画ボタンを押してしまったのだろうか。私は昨日見た映像をそう解釈した。でもとにかく、早く警察に見せないと。



 アレ?無い、どうして?



 昨日見た後、財布にしまったはずなのに。


SDカードを知ってるのはショウだけ。そういえばショウは、さっきから見てない。

パパ達と一緒にいるのかな。私はパパに電話をかける。みんなは10時だから部屋を出ているみたいだ。


「あっ、パパ?ショウ今いる?」

「あっショウね、朝早くから氷上さんと出てったよ。ビーチに行けなくなる前に行こうって」ツー、ツー、ツー


「アレ?切れちゃった?」



ショウが氷上さんといる。

でもなんで、氷上さんはショウを───


ここ数日の記憶が頭をかけめぐる。


「はい、どうぞ」

「すみません、ありがとうございます」



昨日の朝、海でSDカードを見られた。



 あっ、


 "ミサキさんが着てるならいっかって感じで──"


 "じゃあ、ミサキさんはどうしたんですかね、お母さん用ともう一つ"


私はメイキングのミサキさんを知っている。

 

あのメイキングはのに。


ショウが危ない。

私はホテルを出てビーチへと駆け出した。立入禁止のロープを超え、ビーチへと入る。誰もいない。一体ショウはどこに行ったのか。どうしようどうしようどうしよう。一度警察に通報して───


焦っていた私は、背後から近づく人影に気づかなかった。


 ガバッ


「んんー!」


口を抑えられ、呼吸が出来なくなる。

口に何かを入れられた。

意識が朦朧としてくる。


 くそっ


 誰…か……た…す



 ****


3時間前


「ショウくん、持ってきてくれたね」

「うん、これだよね」

「そう、ここに入ってる映像はね、この島の神様が封印されてるんだ。この映像を全部見たら精神を乗っ取られてしまう呪いにかかる。君のお姉ちゃんは既に神様に乗っ取られている」

「えっ?」

「映画でピンクが掛かっていたのも同じやつだよ」

「レッドのキスで解けたやつだよね?」

「うん、でもピンクが掛かっていたものより強力でね、解除する方法も違うんだ」

「どっ、どうすればいいの?」

「儀式には色々手順が必要なんだ」

「実はね、この映像に解除する方法がのってるんだ」

「でも、僕たちも見たら呪いに......」

「安心して、この呪いは女の子にしかかからない」


 ......


「教えて、姉ちゃんを助けなきゃ」

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