第13話 姫と剣
「させるかぁぁぁぁ!!」
下衆な魔族は思った以上にできるようで、剣に手をかけようとした少女に向かって集まった魔力を弾にして放出する。
その魔力弾が少女に命中し爆発音を上げる。
ゲス魔族はニヤリと笑う。
威力は押さえてある。いや、この場所の魔力異常の状況下例え直撃だったとしても体は残っているだろう。
そうなれば再生は可能。ついでにちょっと改造して面白おかしく楽しんでやろう。
そんなことを考えているとモクモクと立ち込める煙の中から一瞬で何かが飛び出す。
それが少女であることを認識したときにはもうゲス魔族の意識はこの世から消滅していた。
少女が俺を掴んだ瞬間、
ピコーンといつもの音が鳴り響く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
適合者;リーネ・バルバリアと契約をしました。
リーネ・バルバリアに肉体強化を付与しました。
【技能貸借】のスキル効果により
リーネ・バルバリアに以下のスキルを貸与しました。
【剣術・真極】
【神速抜刀】
【空断一閃】
【無刀剣術・改】
リーネ・バルバリアを【魔力霧散】の対象から除外します
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それと同時に俺はリーネ・バルバリアという魔王の次女についての情報を得た。
彼女の目的も。
「させるかぁぁぁぁ!!」
ゲス魔族が集めた魔力を弾に変えて放つ。
魔力弾と言われる魔族の初歩の技だ。
だがそれは愚策。俺の【魔力霧散】は俺に近づけば近づくほど効果が強くなる。
リーネにたどり着くころには大した威力はのこってないだろう。
それでもリーネにダメージが入ることを良しとする俺ではない。
”俺を構えろ”
リーネはその声に反応するように剣を引き抜き正面に構える。
魔力弾は俺にヒットして爆発する。
盛大に煙が上がる。いい目くらましだ。
すでにリーネの剣技は達人を超える。
肉体強化でステータスは上昇中。
もはや敵はない。
リーネが踏み出すと一瞬でゲス魔族を瞬殺する。
ゲス魔族が崩れ落ちるのを背にリーネが構えた剣を下ろす。
「ふう……。しかし、これはどういうことじゃ?」
リーネは自分の変化に驚いてるようだった。
”俺のスキルだな。いろいろと俺のスキルを君に貸した。あと肉体強化も施した。今の君はたぶん誰よりも強い”
その声でリーネは静かに頷き
「うむ。それは理解できる。誰に負ける気もしないわ。弱く何も出来ぬわしゃはもうおらぬ。忌まわしき剣よ、わしゃに力を貸してくれたこと礼を言おう」
リーネは剣(俺)を額に当て感謝の意を述べる。
そして力強く
「そして今後も力を貸してくれ。我が姉と魔剣ショーバルムを止めるために」
彼女は自分の目的を口にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます