2:このぬくもりを守るために
明くる日。
少年の匂いを追いかけて、子狐は山を下りてみた。昨日の少年の様子がどうにも気になって、寝付けなかったからである。
辿り着いたのは、少年と同じ年頃の子供たちが大勢いる、中学校という建物。
柵の合わせ目から小さな体でひょいと中へ忍び込んだ子狐は、少年の匂いを追いかけて、
そこで見た。
恋しい少年が、大勢の見知らぬ少年たちに囲まれて、殴る蹴るの蛮行に
「
「こ、この前も
腹を抑えて膝を突いた
「無いで済むかよ。俺は持って来いって言ったんだよ」
傲然と、大柄な少年がヨシアキを見下ろして睨みつける。
「親の財布からでも
「そんな、こと、できる、かよ」
「
大柄な少年が、ヨシアキに向かって蹴り足を引いた。
「いつまでも
小さな体が、大柄な少年の足に激突した。
子狐は猛然と飛び出していた。取り囲む有象無象の足元を
よろめいた暴漢は蹴り足を
「なんだなんだ?」
「え? 犬か?」
「キツネっぽくね?」
取り囲む少年たちが騒めく。
「なんだぁコイツはよぉ!」
暴虐を邪魔された暴漢は一層
「アカネ!?」
ヨシアキが叫ぶ。
抑えていた腹の痛みも忘れ、
踏んづけ
「てめぇの犬か能昭ィィィィ!」
激昂して、蹴り付ける。
何度も何度も蹴り付けた。背中を、腿を、脇腹を。
ヨシアキは、うっ、ぐっ、と何度も苦し
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