第89-1話 大河①
———ステージにはローブ姿で仮面を被った男女が四人と浅原大河が素顔で登壇している。それを見た観客から響めきが上がった。俺と波奈々は舞台袖で見ていた。
「お? 去年と同じ格好だな」
「誰だあれ? トゥエルブはどうした?」
「希乃さん賭けてんだろ?」
「大河君がんばってー!」
一般客からは「あのギターは誰だ?」って反応だ。学校の生徒からは声援が飛んでる。
skyがマイクを取る。
「皆さんこんにちは、ハイスペックスです キメッ」
あ、これ、大河に教えるの忘れてた。
「今日はゲストを二人お招きして居ます。まず一人目はギターの大河」
“ギュィーン、ティロリラ、ティラララ、ギュイギャッ”
名前を呼ばれ大河はギターを軽く鳴らす。すると、
「「おおおおぉぉぉぉ!」」
「結構行けんじゃん」
「大河やるな」
「浅原君かっこいいー!」
「そしてもう一人は二曲目に登場します。じゃあ、時間も無いので一曲目!」
“カッカッカ♪ ディクトン♪———
”—♫♪—♪—♫—♪♫—……
ライブが始まった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!!!!!」
観客のボルテージはのっけから最高潮だ!
しかし今日は大河がギターという事もあって少し落ち着いた滑り出しだ。
「♫♫♫♫—♪—♪—♫—♩—♩♫……
丹菜の声は……今日はヤバい! 全然「声の通り」が違う。ライブ前に言っていた「絶好調」は嘘じゃ無かった。そしてギターは―――
”ジャッジャッ♫ジャジャジャッジャ♪ジャッジャッ♪ジャジャジャッジャ♫“
ギターもついて行ってる。問題無さそうだが……大河の顔が既にヤバい。
「♬―♪♩―♪♬♪♩―♩―――♬………」
”ドムドムドムドムドドドドドドドド………」
そして曲はBメロへ……
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