ミッション
昼休み、鹿乃(かの)君が突然話しかけてきた。
「先生、今日おかしいです」
私は驚いてしまって、何も言葉が出ない。
「え?いやいや」
「デートの予定があるんじゃないの?」
と、鹿乃君の背後から青井さんが顔を出した。
「え!先生彼氏いるんすか?」
鹿乃君だけでなく、クラスの男子達が騒ぎ始めた。
「いやいや、違うよ、違うからね」
この慌てている様が大好物なのだろう。と、なんとなく気付く。
「あ」
「四組、楽しそうだなぁ。俺も混ぜてよ」
教室の前のドアには、その人がいた。
「あ、小矢先生!今日小豆沢先生、デートなん
ですって」
一人の生徒が、その人に向けて言う。
「いや違くて…」
「デート?小豆沢先生、今日俺とラーメン食べ
に行くんだよ」
淡々と言う。こうなるとは分かっていたけれど。
「なんだ、そうなんだ」「つまんねぇの」
と、男子達は吐き捨てる。
「だから言ったでしょ」
私は中学生相手に勝ち誇った顔を見せる。
「先生、良かったですね」
目の前で青井さんにそう言われ、私はその顔を少し赤くしてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます