第2話
たったったっ、走ってきたのはスーツを着た学生と間違えるほどの若い女性だった。
「す、すみません!緊張で胃が痛くなって…」
若い顔で色が薄いセミロングヘアーを揺らしながら馴れていないか震えながら黒板に名前を書いた。
「えっと、私はこのクラスの担任に勤めることになった海上マリアと申します。宜しくお願いします!」
パチパチと皆が暖かい目で頑張ってる先生に拍手を送った。
「それじゃあ、自己紹介を行います!」
*
窓際に座っていた彼の番は早かった。
皆が耳を傾けてる中…
「俺は転生した魔王、今の名前は世野マオだ。特技は全ての魔法だが…今は使えない」
椅子に座るマオ。
教室が一瞬静まった。
「えっ」「プッ、厨二かよ」「聞き間違いか?」
「ヤバイな…」「またあいつか…」
がん、と静寂につつまれた空気を変えようとマリアは急いで言葉を放った。
「え、えっと魔法ですか!いいですね!私も好きです!」
マリアは引きつった顔だった。
(何ですか、この人!初めての仕事なのに問題児が……)はあ…と早くも冷や汗を掻く新任の教師。大変な日々になりそうだ2であった。
「えっと、次!」
間抜けな顔でマオを見ていた彼女は先生の声に気を取り戻しに咳払いをした。
「え、 えっと私は相澤まいと申します、趣味は読書とお料理です」
窓の向こうを見ていたマオ以外皆が彼女を見て言葉を失った。白い肌は雪のようで、誰もが忘れられない顔つき、そんな彼女を彩る緑色が混ざった茶色の長い髪は視線を離すことを許さなかった。
降り立った沈黙、だがそれはマオの時とは少し違った。
「え、可愛くない?」「アイドルかな!?」「顔小さっ」「ヤバイな…」
聞こえて来る囁きに彼女は馴れてるのか何事もなかったように椅子に座った。
「相澤まいさん!可愛いですね!入学試験でも1位でしたよね、今後の活躍期待します!では次」
考えていることをフィルターを通さず言ってしまうマリアだった。教師として色々アウトだ。
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