第36話 俺の居場所


「しかし、瞳は凄いね。雌ゴブリン、それもホブを抱きしめるなんて…本当の勇者(笑)だね…本当に凄いわ~」


「そうか、本当に可愛いだろう」


「邪神だからそう見えるのかな?」


これは元々だ。


俺は今、川で水浴びをしている。


ただ、少し抱き着いただけなのに、俺は相当臭うそうだ。


黒薔薇と黒牡丹は『世界』に避難。


そして、京子は俺をおちょくっている。


しかし、京子は便利だな。


普通の人間からは『霧崎京子』の姿に見え、俺からはその状態でも黒髪の美女に見える。


だから、一緒に過ごすのに凄く都合が良い。


その事から考えると俺の目は容姿に関係する美醜逆転でなく、もっと本質的な物と繋がりがあるのかも知れない。


「ふぅ、こんな物か? 臭いは消えたかな」


「かなり消えたよ。それで、なんで瞳はやらなかったんだ?」


「やらなかったって何を?」


わかっているけど…言えないよな。


「とぼけないで良いよ…解っているよね? あれだよ、あれ!」


「確かに皆、魅力的だけど、まだ子供だよ?!」


流石に小中学生とやっちゃ不味いよな。


「確かにゴブリンは小柄だけど、ほぼ全員人間でいう成人年齢だったよ。それ以前に…ゴブリンは性欲の塊だから生まれて3年もすれば、普通に他の種族を犯しているんだけど…」


生まれながらのビッチ。


そして完全な合法ロリ…やっても良かったのか…


いや、容姿があれの時点で『手を出したら駄目だ』


せいぜい、観賞用…そう思っておこう。


うん、それで良い筈だ。


「それでも、流石に、手を出せないな」


「全く、相手してあげれば喜ぶのに…そうだ、これでどうかな?」


「ななななっ…それは」


川から上がろうとしたが、男の整理現象が起きてしまったので、また川に飛び込んだ。


「にひひっ…これ凄く好みみたいだね!」


京子は姿に引っ張られるのか喋り方も変わる。


今、目の前に居るのは『全裸美少女女子高生』『全裸美女女子大生』やや貧乳バージョン。


しかも、イクニも美少女だったが、それを更に超えていく美少女、美女。


言葉で現すなら『綺麗すぎる美少女、美女』そう言う言葉が良く似合う。


ロングの黒髪にやや大きな黒目、色白の肌にスラッとした手足。


胸は小さいがそれも良く似合うスレンダーな体系…凄い。


「お京、それは何という魔物なんだ」


「いひひっ…クィーンゴブリンだよ! ゴブリンが好きなら…いけるんじゃない?」


「凄い美人だよ! 確かにね…上位種だからなのか…」


「いや、多分違うかな…あたいの場合は本物より悍しくて醜く、能力は劣るだから…その『悍しくて醜い』部分が関係あるのかもね…それで…もし溜まってきたら何時でも相談に乗るから声かけて良いから…変身すると性格や性質も変わるから、この姿の私は『物凄い淫乱ビッチ』だから幾らでも搾り取ってあげるからね」


「あ~そうだ、お京は冒険者だったんだよな? この辺りだとゴブリン以外だとどんな魔物がいるか教えて欲しい」


「そうだね~こんなのが居るよ…だけどこれの下位種だね」


そう言うと京子の体が変わりだした。


昔の変身サイボーグ美少女。


ステッキで色々な大人の?女の子に変わる魔法少女みたいだな。


そして変わった姿は…


「なななっ…悪い…」


「あれれ~どうしたのかな?顔を赤くして可愛いね。うん…」


絶対に解っててやっているよな。


前に見た『巨乳のグラマーなグラビアアイドル、もしくはAVギャル風セクシー美女』だ。


胸が巨乳、爆乳? そう思える程大きい。


それなのにお腹は出てなくて…お尻が大きく、手足が長い。


良く言えば…巨乳専門のグラビアアイドルが所属していた、イエローなんたらのグラビアアイドル…AVならコスモなんちゃらに所属していそうなアイドル顔のAVギャル…そんな感じのお姉さんだ。


しかも、そんな凄い体なのに顔は童顔で長髪の美形。


「本当に男として不味い事になっているから…戻ってくれ…ハァハァ」


鼻血が出そうだ。


「うふふっ、本当に可愛いね…お姉さんが筆おろししてあげようか? なんなら1週間位やりっぱなしでも良いのよ?」


「良いから…」


「全く…相手してあげるって言っているのに…はい、これで良い?」


「それで良いよ。それであれは一体?!」


「あの姿はね、オーククィーンなんだけど?!精力の塊みたいな存在だね。濃厚なあれがしたいなら最高かもね? 醜い姿でも男を立たせないと出来ないからサキュバスの次位にテクニックがあるから…本気でやったら普通の人なら腹上死確実だよ」


「そうなんだ…」


「まぁ、瞳は邪神だから平気じゃないかな? それで…」


不味い、話を変えよう。


「そういえば、お京が変わったのは上位種だよな、オークは少し違うのかな」


「さぁ、多分、そんなに見た目は変わらないと思うよ」


「そうなんだ」


次に会う相手はオークか…


ハァ~ もうすっかり魔族側で居る事が当たり前になったな。


人間を殺す事に抵抗も無い。


エルフは醜く殺しても構わない…そう思っている。


俺にとって人間は人間にとっての魔族みたいなもの。


そしてエルフは人間にとってのゴブリンみたいなものだ。


そう考えたら危害を与える相手が違うだけで『やっている事は人間と同じ』だ。


まぁ良いや…この目に従うまでだ。


少なくとも今の俺は…孤独じゃないしな。


「どうかしたの?あたいの事を見つめて…」


「いや、お京って凄く綺麗だなと思って」


「あはははっ、そう言う事言う奴はこの世で瞳だけだよ」


「随分、仲良さそうですわね!」


「(じぃ~)仲良さそう」


「三人とも…三人とも凄い美人…そう三人とも凄い美人だよ」


「瞳様…嬉しいですわ」


「ありがとう…凄く嬉しい」


「あははははっ瞳らしい、優柔不断だね」


「そうだな…」



人間もエルフもどうでも良い。


此処が『俺の居場所だ』













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