第37話 文句の無いグラビア風美人 オーク
う~ん。
そうか、オークの雄はぽっちゃりボーイなのか?
少し小太りしている爽やかボーイが居た。
体はややデブ、だが、筋肉もある。
昔、映画で見た 太っているのにやたら強いカンフースター。
もしくは、デブなのに顔はイケメンで可愛い彼女が居る忍者。
そんな感じだ。
しかし、オークも雄雌で別に暮らしているのか…
ぽっちゃりボーイはまぁ、後にして…雌を見に行くか。
◆◆◆
しかし、視点が変わると世の中は変わる。
ちゃんとしたジャッジをすれば…人間とエルフが悪人でゴブリンとオークが善人だ。
普通に考えてくれ…見た目で誤魔化されていたんだ。
まずゴブリンは人間やエルフに駆逐される存在だ。
会えば、まるで前の世界のゴキブリの様に殺される。
冒険者ギルドでは賞金を掛け…耳を持っていけばお金が貰える。
確かにゴブリンは繁殖の為に人を攫うし、場合によっては人を襲う。
だが…どちらが多く被害にあっているか…そう考えたらゴブリンだ。
ゴキブリの様に問答無用で殺されるんだ…どちらに慈悲があるか…そう考えたら、まだゴブリンの方が温情がある気がする。
少なくとも人間と違い『虐殺(ジェノサイド)』をゴブリンはしていない。
オークはどうだ?
確かにゴブリンと同じように人間を攫い苗床にするし、場合によっては殺すかも知れない。
だが、殺され、食肉にされる存在でもある。
これもどちらが被害にあっているか…そう考えたら殺されている数はオークの方が多い。
前の世界で一番他の生物を滅亡に追いやったのはライオンでもワニでもサメでも無い…人間だ。
元から狂って見えるこの目…この目があるからこそ、正しい判断が出来る。
この世界で滅ぶべき存在は…人間だ。
◆◆◆
黒薔薇や黒牡丹にとってはオークは臭くて醜く見えるらしく…また『世界』に引っ込んでいる。
京子も同じだ。
「会っても会わなくても良いんだけど?! あたいが居たら覗きがが楽しめないよね? 昨日の様子じゃ…オークの雌は瞳にとって、エロ…」
「言わなくて良いから…」
最近、京子に良く揶揄われる。
なんだか、幼馴染と話しているみたいでこのやり取りも楽しい。
黒薔薇や黒牡丹は綺麗すぎてなかなか今でも話しづらい。
あの二人は俺から見たら…もうリアル天使にしか見えない。
京子も凄い美人だが…良く揶揄われるからか…友人の様に話せる。
◆◆◆
雌ゴブリンにおおよその場所を聞いていたせいか雄のオークに続いて雌のオークも簡単に見つけることが出来た。
雄もそうだが、オークはゴブリンに比べるとかなり文化的な生活をおくっている。
ちゃんとした村で畑もあるし小屋の様な家もある。
それより…エロい。
雌ゴブリンみたいに『子供』じゃない。
簡単に言えばボンキュウボン。
肉つきの良い体。
デブではなく巨乳でお尻もでかい体つき。
清らかとは逆のエロイセクシーな体。
良くて巨乳グラビアモデル、普通でAVギャルかエロ本のモデル。
そう見える。
年齢で言うなら女子高生位~20歳前位に見える。
顔も…グラビア顔と言うかレースクィーンの様な顔やチアガールが似合う様な顔までまちまち。
それがミニスカ位の短さの腰布一枚で胸丸出しで沢山いるんだ。
どこの風俗…まるで、週刊誌で見た『おっぱいパブ』だ。
「凄いな」
思わず声に出てしまった。
そうすると覗いているのがバレたのか目があった。
『嘘…男が居る…捕まえ…えっ邪神様?』
ゴブリンの時もそうだったけど、どうやら魔物には俺が邪神だとすぐに解るようだ。
『邪神様が居る…しかも男神だ』
『嘘…しかも若くて可愛い…』
『いい加減にしなさい! 確かに可愛いいですが邪神様ですよ? 所で邪神様、顕現までされてどうかされたのですか?』
他の雌オークも皆美人だけど、この人は更に綺麗だ。
鎧迄来ていて…天使…いや、羽の無いワルキューレ、いや女騎士が近い。
金髪に目が青くて、肌が白い。
オークなのにエロ漫画で『くっ…殺せ』とかオークに捕らわれた美人女騎士に見える。
難儀だな。
それは別にしても…綺麗だな。
説明はどうしようか?
『俺の名前は瞳…エグゾーダス様とコーネリア様に連なる邪神だ。この度、近くの王国を滅ぼし、勇者パーティを葬ったので挨拶に来たんだ』
『王国…エルドラン王国ですか? 勇者召喚国を滅ぼすなんて凄いですね。それでエルドランは今、どうなっているんでしょうか?』
『え~とお姉さんは?』
『おっおっお姉さん?! 失礼しました、私の名前はレイラ、この村の長でハイオークです』
レイラは他の雌オークと違って鎧を着ているのが…残念。
いやっ違う。
『今、エルドラン王国に人間は居ない筈だから、雄のゴブリンに押さえて貰うように頼みました』
『ゴブリンじゃ心配ですから、すぐに使いをオーガの集落と雄のオークに送りまして伝えます』
『ありがとうございます…ですがレイラ達は行かないの?』
『私達は今の生活に満足していますから…この村には温泉もあって此処で充分ですね…働いて暮すには良い場所ですから…近くの雄オークは農耕が苦手だから喜びますよ?! オーガは…まぁ脳筋ですから行くと思います』
上位種のせいか随分理知的だな。
しかも綺麗だ。
京子には及ばないが…鎧を着ているのもあって騎士…それもハイランダーとか姫騎士みたいだな。
さっきから風で靡く金髪が凄く綺麗だ。
『凄く…綺麗だ』
『そうですよね…この辺りは景色も良いんですよね…私も気にいっていて…』
『いや、そうじゃ無くてオークがだよ…皆、美人ばかりだ…』
雌ゴブリンがジュニアアイドルなら…グラビアアイドル、それどころかエロさがあるからAVみたいな感じだ。
しかも、そんな女性がトップレスで巨乳をプルプル震わせている。
さっきから鼻血が出そうなのを必死にこらえ…下半身が熱くなってきているのも精神力で抑え込んでいる。
『私が綺麗?! 雌オークの私が…綺麗?』
『レイラ…違うって…オークが綺麗って言ったのよ』
『嘘…そんな照れちゃうわ』
『それならぁ~ 邪神様ぁ~ 私と! 今から良い事しない?』
『だ~め、邪神様はぁ~私とす.る.の』
『なに言っているのかな? かな? 邪神様はぁ私としたいんだよね?』
トップレスでミニスカと同じ位の布を巻いた美女が鼻息荒く迫ってくる…しかも下は履いてない。
確かに美人だし…ゴブリンと違って『言い訳が出来ない』
年齢もOK…そしてセクシー…完璧に綺麗な美人。
駄目だ!断る理由が無い。
逃げ場がない。
◆◆◆
「あたいのパートナーに何をしてくれているのかな?」
『『『『『ごめんなさい』』』』』
間一髪、危ない所で『世界』から京子がオーククィーンに変身して飛び出してくれた。
本物より力は多少劣るが上位種…従える事は出来るようだ。
「良いか? 瞳は邪神だからな! あたいも含み魔物は皆、可愛かったり美人に見えるんだ、だからって言って無理やりは駄目だ!」
『『『『『すいません…』』』』』
「良いか?!女なら雌なら、色気で勝負するんだよ…実力行使じゃなくて誘惑で勝負するんだよ…良いな」
『『『『『はい』』』』』
「おい…」
「良いから、良いから…これで瞳も良いだろう? 鼻の下を長くして全く! 瞳は『誘惑されている』位が良いんだよ? すぐに経験はしたく無くても…見るのは好きなんだろう? だけどゴブリンと違ってちゃんと大人に見えるんだから…好みの奴がいたら、そのまま身をまかしてやっちゃうのも良いんじゃないかな? あたいでも良いけどね…それじゃ…」
それだけ伝えると『世界』へ消えていった。
「おい」
『邪神様ぁ~ ほうら』
なんで腰布捲るんだよ…履いて無いから丸見えじゃないか。
『邪神様ぁ~ 良い事してあげるからお姉さんと行かない?』
『私、オークの中でも胸が大きい方なんだけど触りたくない?』
『ねぇねぇ、取り敢えずどの子が好みかな?』
『貴方達いい加減にしなさい! さっきクィーン様に言われたでしょ?無理やりは駄目』
『無理やりじゃないじゃない? これは誘惑だもん』
『『『そうだ、そうだ』』』
『貴方達…そういう危ない人間に邪神様は任せられません!』
『レイラ、ありがとう』
よく考えたら雌オークがビッチなのは当たり前だな。
『いえ、それでぇ~邪神様、この村は温泉があるんですよ、入りませんか?』
『温泉かぁ良いね~えっ』
『じゅる』
今、レイラが舌舐めずりした気がする。
そして後ろを見ると手をワキャワキャして目がハートマークのオークが20人以上居た。
『温泉はまたにするよ…それじゃ』
『『『『『邪神様ぁぁぁぁーーー』』』』』』
『またねーーーーっ』
俺は急いでその場から走り去った。
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