(二)-19

 日曜日、誠が直美の自宅にやってきた。そして二人のことを告げた。

 父・威は「まだ早いんじゃねぇか」とだけしか言わなかった。しかし言葉とは裏腹にその実、認めていた。

 母・素子はダイニングのテーブルについた客人である誠に礼儀正しくお茶を出したそぶりとは裏腹に、誠の言葉を聞いてすぐに態度が豹変し、いつも直美と接するのと変わらぬ口ぶりになった。

 誠は彼女の母親の態度のビフォアー・アフターを見て驚いたものの、その母親の口ぶりには驚かなかった。母親とは数度対面したことがあったからだ。


(続く)

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