(二)-5
高校に進学してからしばらくすると、直美は母に父との性交を強要されるようになった。
直美は拒んだが、母は「私だって昔はそうしていたのよ」「そうするのが当たり前なの」と無理矢理寝室に連れて行かれて父の相手をさせられた。
その日以来、父の家庭内での暴力は目に見えて少なくなった。酒に酔って帰ることも少なくなった。家の中は昔と違って優しい空間になったような気がした。しかし、父が深酒をして帰ってくる日以外、直美は父の相手をしなくてはならなくなった。
(続く)
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