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 しかし受験では違った。特に学力上位の人気校になると、その学力の差異を明確化するために、応用問題などが増える。単純に教科書に書いてあることを知っているだけでは解けない問題が多い。塾などで過去問を解いて備えるなどしなければ、合格はおぼつかない。直美が第一志望の高校に合格できなかったは、そのためであった。

 そのことを知ったとき、父親のたけしは、酔いの勢いに任せて「お前の教育が悪い!」と母親をなんども殴った。そして、直美のことも平手で殴った。直美は父親に手を挙げられることはそう多くなかったが、このときばかりは数回両の頬をぶたれた。

 とはいえ、第二志望ではあったものの、偏差値でいうと上位クラスの学校ではあった。そう言って直美は父親をたしなめて納得してもらった。


(続く)

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