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それはもう大昔からきまっているのだ。人間には絶望という事はあり得ない。人間は、しばしば希望にあざむかれるが、しかし、また「絶望」という観念にも同様にあざむかれる事がある。正直に言う事にしよう。人間は不幸のどん底につき落され、ころげ廻りながらも、いつかしら
本当にもうこれからは、やたらに人を非国民あつかいにして責めつけるような気取ったものの言い方などはやめにしましょう。この不幸な世の中を、ただいっそう陰鬱にするだけの事だ。他人を責めるひとほど陰で悪い事をしているものではないのか。こんどまた戦争に負けたからと言って、大いそぎで一時のがれのごまかしを
そりゃ僕だって、いままでずいぶんつらい思いをして来たのです。君もご存じのとおり、僕は昨年の春、中学校を卒業と同時に高熱を発して肺炎を起し、三箇月も寝込んでそのために高等学校への受験も出来ず、どうやら起きて歩けるようになってからも、微熱が続いて、医者から
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