御坂峠、海抜千三百メートル。この峠の頂上に、天下茶屋という、小さい茶店という、本作の舞台になった場所へいったことがある。もう何十年も前のことで、太宰治にあまり関心がなく、特段感想をもつことなく、記憶もあまらないのだが。本作も以前読んだおり、さして感想もなく。久々に読み返してみて、これはなかなか、とおもった。太宰治なりに、素直な線をひけている感じであり。富士には月見草、という太宰治の感覚は、好きだ。