第5話 俺の話
あ、あんた。待ってたんだよ。また来てくれた。良かった。ちょっと相談したいことあってさ。なぁ、ちょっと耳貸してくれる? 耳。
ほら、あの子、あっちの子。見てよ。綺麗だろ。あの真っ黒のボディに、
俺ちょっと、声掛けてみたいんだけどさ、何て言ったら良いかな。え、同じ万年筆なんだから、普通に挨拶しろって、あんたわかってないねぇ。第一印象って大事だろ。ちょっとは考えてくれよ。俺とあんたの付き合いじゃん。
前に何回か、すれ違ったことはあるんだよ。俺は家で待機だけどさ。あの子は仕事場にいるんだ。あの女、ちょっとそそっかしいから、たまにあの子を家につれて帰ってきちゃうんだよね。今日もだけど。前のときに、ちょっとだけ、顔をあわせたことあるんだ。
一緒に仕事できたらなぁって思うんだけど、俺たちは連れて行ってもらう側だし。一緒に仕事してみたいなぁ。なんか、ちょっと憧れるなぁ。でさ、何って声掛けたらいい?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます