第3話 歌姫とプリマと反政府軍
崩落寸前の駅の入り口に人集りが出来ている。
先の戦争で廃墟となった構内で奇跡的に生き残ったグランドピアノ。
もし君がいないならばダイヤの指輪も権力も何もいらない……
ただ君が欲しいのだと……
彼女のピアノと歌に合わせて顔を失ったプリマが踊っている。
プリマの顔は美しい金糸の刺繍が施された仮面で覆われていた。
柔らかくしなやかで美しい曲線を描きながら
真っ黒なタイツに全身を包んだプリマが踊る。
力強い跳躍と天をなぞる指先。
その指先は表情を失ってなお、表現することを諦めず、美しくあることをやめない。
ナナシとバトゥが雑踏に紛れて眺めていると反政府軍の街宣車が通りかかった。
政府は今や正常に機能していない!!
国民は飢えている!!
官僚を駆逐せよ!!
立ち上がれ戦士たち!!
我々は君の入隊を待つ!!
場所は✕✕✕✕ー□□□□
連絡先は△△△△ー○○○○
なおこれは本日限りの情報である!!
もう一度言う!!
我々は君の入隊を待つ!!
我々は必ず実行する!! 現政権を打倒するのだ!!
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