第4話 魔法

少し汚れたベッドの上で1人考える。


(まずは情報の整理だ。僕がレオじゃないことはバレていないはず。盗賊ギルドだし悪いこともするんだろうな〜。まぁ盗みにも特に抵抗は無かったし大丈夫かな。僕の感覚が『レオ』の感覚と融合しているのか…?それはなんとなく嫌だなー。)


そうして物思いに耽っていると、静かに扉が開いた。すると、赤い髪をした同い年くらいの少女が入ってきて、僕に問いかける。


「なぁ、おまえゲラルドのこどもなのか?」


(こいつはだれだ。めんどそうだし無視でいいか。てか自分の外見見たことなかったけどゲラルドのこどもに見えるってことは黒髪なのか…。どうせなら異世界っぽい髪色がよかったのに。)


呑気にそんなことを考えていると少女は少しムスッとした顔で僕に問いただす。


「おい!おまえはゲラルドのなんなんだ!てゆーかむしするな!おい!」


返答するのもめんどくさかったしこいつ自体もめんどくさそうだったので少女は無視して情報を整理しようとした。


「おまえもまほーが使えるのかと思ったのに…。」

「この世界には魔法があるのか!!!!」


少女の言葉に考えていた情報たちが吹き飛ぶ。僕の勢いに少女は少したじろぐ。


「このせかい?」

「いや、なんでもない。それよりお前、魔法が使えるのか!?」


「わたしはまほー使えるよ。でもできる人なんてこのギルドでもわたしとゲラルドだけなんだ。だからゲラルドが連れてきたんだしまほー使えるのかと思って。」


(魔法がある!別にどうしても魔法を使いたいわけじゃないけどちょっと使ってみたい!うそだ!どうしても使ってみたい!!前世からの一つの夢だ!これはゲラルドに聞かなきゃだな!!)


僕が子供みたいなことを考えているとゲラルドが帰ってきた。


「お、ナツもいんのか。ナツ、こいつを紹介しとく。レオだ。俺の弟子にする。お前の弟弟子だ!。

「おとーとでし!嬉しい!あ、でもこいつ、まほーつかえるのか?」

「こいつは使えるはずだ。まぁもし使えなくてもそれ以外を俺がミッチリ鍛えてやる。だから弟弟子ってところは変わんないな。」


(盗賊ギルドでやるべきことが一つ増えたな!魔法を使いこなす!)

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