第4話 蛇足話(最終回)「出現!べらぼうに出鱈目な俺サマジン!」

……タンビリア宮殿の一室で地団駄を踏んでいたタカビリヤ総統だったが、落ち着いたらしく、モニターに映るUFO美男だった玩具の残骸を見る。


「もう一度、チャンスを与えてやろう。

UFO美男よ、これからの自分の姿を見てどう思う?

薔薇茨万萬蛮!」


訳の分からない呪文と共に制服の胸に刺した赤い薔薇をモニターに投げつける。


ビュッ!!

トプン

赤い薔薇はモニターをすり抜け、UFO美男だったモノに刺さる!


『アッー!』


UFO美男だったモノに刺さった薔薇は蔦を伸ばし、傍らの玩具のUFOを巻き込み巨大化して行く。


『……凄く、大きいです!』


蔦から響く大声と共に蔦が弾け飛び中から全長18mに巨大化したUFO美男が現れる!

だが、その胴体は相棒のUFOを鎧の様に身に纏い、巨大化以外にもパワーアップしている様だ!

この姿を強いて言うなら『メガ薔薇人 メガUFO美男』と言うところか?


メガUFO美男は目と股間から謎の怪光線を放つ。


ピーッ!!

ボフンッ!!

光線を浴びた建物は着弾すると共に爆発する。

爆煙が晴れると其所には建物は無く、自由の女神の様な全裸の美男子のオブジェクトが建っていた。

どうやら強制的にビルの外観を変えられた様だ。


『ユ~フォフォフォッ!! 『ウホッ!良い男銃』のバワーアップ版『強制ハッテンバ・ビーム』の威力を見るであります!

……これで世界を強制的に花園に変えるであります!』

……メガUFO美男、説明的な台詞をありがとう。

メガUFO美男はクルクルとバレリーナの様に回り、強制ハッテンバ・ビームを乱射する。

強制的に建物は卑猥な男性オブジェクトに、人は再び、美男子化していた。

……再び、お姉様と妹分が美男子化して抱きあって、うっとりしていたのを追記しておく。

強制ハッテンバ・ビームで卑猥な 被害が広がって行く。


「……どうしよう! 俺様レッド!今の僕達では凄く大き過ぎるメガ薔薇人に対抗出来ないよ!」


オロオロする俺様ブルー。


「……チックショー!! このままじゃ俺様の彼女候補が皆、彼氏候補になってしまう!!」


「俺様イエロー! 悩む所、ソコなの?!」


俺様イエローのしょーもない悩みに突っ込むヒロインピンク。


「……腐腐腐……俺様レッド、刻が来たわ。

アレを喚んで頂戴」


妖しくアレを喚ぶ様に言う貴腐人ブラック。


「良いだろう! 俺様の元へ集え! 俺サマジンッ! カムヒアッ!」


俺様レッドはペンダントを掲げ叫ぶ。

無敵な鋼人を呼び出しそうである。


その時、日本各地の名古屋城、大阪城、姫路城、熊本城、犬山城から光が飛び出て集う。

その光は燃える熱帯雨林を突っ切り、氷河の壁をジグザグに飛び、萌える秋葉原を越え、砂漠の砂を巻き上げ、世界を周り飛んで行く。

そしてその光はハッテン場と言う名の戦場に降臨する!

降臨した光、それこそがカベドンジャーの巨大決戦兵器! 戦う!超機械生命体『俺サマジン』である!


「集まって此処に来るのに、世界を回る必要ってあるの?!」


『『『『『兄貴! 俺サマジンお喚びにより参上しやしたぜ!』』』』』


何故か俺サマジンが世界を回っている事を知っているヒロインピンクの突っ込みを無視して、五体の俺サマジンが声を揃え、皆でポージングをする。

俺サマジンがカベドンジャー達を各々のトラクター・ビームを照射してコクピットに乗せて行く。


「……俺サマジンって、自動で動くのなら私たちが乗る必要は無いんじゃない?」


「そんな事はないわ。

俺サマジンは私達が乗る事により、壁ドン力を吸収して更なる力を発揮するのよ

……ヒロインピンク、御覧なさい。 貴方の乗っている俺サマジンを……」


ヒロインピンクの問いに貴腐人ブラックから貴腐人ブラックの乗る熊本城の俺サマジンから見た光景がモニターに映し出される。

姫路城の俺サマジンがプルプル光を放ちながら震えている。


『わ……儂の中にオニャノコが乗っている……わ、儂ゃあ感激じゃあ~!!』


姫路城の俺サマジンも漢の子である。

彼は感極まっていた!

彼は今、モーレツに暴走している!!


『アッー!』


……姫路城の俺サマジンは達してしまったらしい。


『……賢者モード起動ッス』


……勝手にイッて、勝手に賢者タイムに突入する超機械生命体……何か嫌である……。


「……あの、もうよいでありますか?」


メガUFO美男がおずおずと声をかける。

薔薇人は変態怪人ではあるが紳士である!

ヒーローの変身、メカに搭乗、合体時には攻撃をしてはいけないと言うお約束を律儀に守っていた。


「……ああ、待たせたな!

俺サマジン、総攻撃だ!」


俺様レッドの指示で俺サマジン達がメガUFO美男の周りをグルグル飛び回る。

メガUFO美男の背後をとった名古屋城の俺サマジンがメガUFO美男に向かって飛んで行く。

メキョキョ……!

名古屋城の俺サマジンが右脚に変形してメガUFO美男を蹴る!

ドカッ!!


「ぐわ~っ!」


正面の熊本城の俺サマジンが飛び出てメガUFO美男に向かって行く。

メキョキョ……!

熊本城の俺サマジンは右腕になってメガUFO美男を殴り付ける!

バキッ!!


「ABBA~っ!!」


以下、俺サマジン達はこんな感じの攻撃をひたすら繰り返して、メガUFO美男をボコボコにする。

顔面を腫らしたメガUFO美男が叫ぶ!


「もう、いい加減にするであります! この卑怯者達め! 漢なら正々堂々と戦うであります!」


「「漢じゃないわよ!」」


メガUFO美男の文句に貴腐人ブラックとヒロインピンクが2人が即座に否定する。


「良いだろう! メガ薔薇人! 俺サマジンの本気で正々堂々と相手してやる! 俺サマジン! 天上天下唯我独尊合体だ!!」


俺様レッドが俺サマジンに合体指令を出す。


『『『『『合点でサァ!』』』』』


掛け声と共に空へ飛んでく俺サマジン達。

ガシッ! メキョキョ!

熊本城と姫路城の俺サマジンが抱き合って両腕と上半身へ変形する!

ガシッ!メキョキョキョキョ……!

名古屋城と大阪城の俺サマジンも抱き合って、両足と下半身に変形する!

ガシッ!キュイーン!

上半身と下半身が合体し、人の形を作る!

キュイーン!

メキョッ!

ガシッ!

犬山城の俺サマジンが変形して頭部、胸部装甲とバックパックになり、合体する!

合体した俺サマジンの身体の各所から光を放ち、バックパックと脚部ののバーニアを噴かし、ゆっくりと地上に降り立つ。


『合体俺サマジン ブラザイン! 此処に参上!』


ブラザインがメガUFO美男に広げた左手を向ける!


『サディスティック・ウェイブ!』


ブラザインの左手から放たれる重力波がメガUFO美男を宙に持ち上げ拘束する!

何故かその姿は恥ずかし固めになっていた。


「アイエェェェッ! また恥ずかし固めでありますか?!」


昔ながらの五人が集まった操縦席で、貴腐人ブラックが手窓でメガUFO美男を視る。


「……やっぱり判っていたけど、メガUFO美男のメガ・ヤオイコアは肛門から13メートル上よ!」


やっぱりな声に俺様レッドが叫ぶ!


「これでも喰らえ! ソード・ファッカー!」


ブラザインの右手にグレートソードが現れる。

ブラザインはそのグレートソードをメガUFO美男に

向けて思いっきり投げつけた!


「普通、グレートソードは斬りつけるモンであって、投げつけるもんじゃないであります!

よい子は真似しちゃ駄目であります!」


ドスッ!


「アッー!」


メガUFO美男の肛門に思いっきり刺さるグレートソード。

ブラザインはメガUFO美男に背を向けて、俺様レッドが呟く。


「……カルピス・エンド……」


ドプッ!

グレートソードから多量のカルピスの原液が溢れ出す。

メガヤオイコアに大量のカルピスの原液がかかる。


「……こんな格好悪い殺られ方、嫌であります! アッー!」


爆散するメガUFO美男。

爆発と同時に辺りに飛び散るカルピスの原液。

メガUFO美男が倒された事により、強制ハッテンバ

・ビームの効果が消え、卑猥な空間は落ち着きを取り戻す。

……やっぱり、一部の姉妹カップルはガッカリしていたが……。


蛇足的だけど、再びブラック・ラヴァーズの野望を打ち砕いたカベドンジャー!

いつの日か、再び戦え! カベドンジャー!

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俺様戦隊!! カベドンジャー!! ばくえんさい @bakuen1934

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