第8話 side リリステラ・ベル=ブレイズ

「逃げたりはしないでしょ?ねぇ、『死災』様?」


『死災』?

それってまさか……っ!?


死災死を振り撒く災害ってまさか、一年前に危険視されていた?」


アリス姉さんの言う通り、一年前に各戦場に現れて、どちらの味方にもならずに甚大な被害を与えたと言うあの?


「ほぅ、言うようになったではないか」

「そりゃあね。今でも嫌いなのかい?」

「あれは誇張しすぎだ。そもそも俺は誰も殺してはいない。戦闘不能にする程度だ」

「でも、どちらも戦闘継続できない状態にはしたよね」

「それは知らん。俺は強そうな奴と戦っただけだ」

「ま、そのおかげか一部の市民からは英雄視されてるけどね」


そうです。戦闘が継続されず、致し方なく不戦条約を大半の国は結んだ。一部それでも続けようとして内戦が起きましたが。

ふふん。流石私達の兄さんです。


「リリィは何で自慢そうな顔してるの?」


はっ……つい顔に出てしまった。


「はぁ……、また機会があれば」

「うん、約束だよ」

「あ、兄様ずるいです。私!私も!!」


諦めたように兄さんは言います。それを聞いてアーサー様は嬉しそうに答えます。それを聞いてアルトリア様も言いますが、二人は流します。もちろん私達は何も聞いていません。

兄さんには後で一年前の事を詳しく聞こう、と心の中で決心をしたところで鐘がなります。

この鐘は………


「あ、まずい。そろそろ集合の時間だ」

「む、もうそんな時間か」

「は、早くいきましょう!律神、兄様!!」

「にぃ、早く行こう!!」

「兄さん、遅刻しないように急ぎましょう!!」


私達は慌てて走ります。

これから兄さんと同じ学院で勉強……。

頑張ります!!





























「へぇ、あれが『憑代』と『鍵』、それに『星』の一族か」

「そうです。それに加え、『白』、『刻』、『魔』が揃っています」

「へぇ……………………………あの憑代さ」

「?」

「まさかとは思ったけど【………」

「そこまでで、詳しいことは後ほど」

「…………………そうかい」

「貴方には与えられた仕事をしっかりと遂行して頂きます」

「分かってるよ。、それが契約内容だ。その代わり」

「えぇ、そちらの願いを叶える助力は惜しみません。それがなので」

「……………そうしてくれ」

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