第7話 side アリステラ・ベル=ブレイズ

「見つけましたよっ!!律神っ!!!」


!?な、なに!?

声のした方を見ると、白金プラチナ色の髪に金色の瞳の美少女。身長は私達より少し高いくらい。あと胸が………。これからだもん。私もリリィもこれからだもん。


「うむ、久しぶりだな。『南の魔坑』以来であったな」

「えぇ。あの時は力を貸していただきありがとうございました」


『南の魔坑』。確かロンディム騎士国で起きた魔獣災害スタンピードだっけ?まさかとは思っていたけど、にぃも関わっていたなんて……。

いやそれよりも


「ねぇ、にぃ。この人は?」


声が低くなる。いつもの無表情を保てそうにないかも。でも気になる。

返答によっては………。


「まだ名乗っていませんでしたね。私はロンディム騎士国の第一王女。アルトリア・ハートフィリア・ロンディムだ」


ロンディム騎士国の王女様!?

それにこの名前は………っ


「もしかして、【星巫女】様………?」

「あぁ、歴代【星巫女】を継いだ者だ」


そうにぃが答える。いや、私はアルトリア様に聞いたんだよ?と言うかにぃ。まさかこの人と戦ったの?


「一応言っとくが、俺はアルとは戦っていない。俺が相手したのは–––––」



「まったく、焦りすぎだよ、アル。やぁ、久しぶり律神」



また誰か来た。

アルトリア様と同じ白金色の髪に金色の瞳。

この人、まさか……っ!?


「………嘘、【星の勇者】様?」


リリィが掠れた声で言う。

この人の名を、アーサー・ハートフィリア・ロンディム。

ロンディム騎士国の第一王子にして、三人いる勇者のうちの一人。

そして、その容姿と地位、性格、武術から『星の王子』とも呼ばれている。


「うむ、久しいな。アーサー」

「あの時は世話になったね。あと、次は負けないからね。また戦ってよ」

「ふむ、戦うのは良いがこれをなんとかしてくれんか?ずっと付き纏われるのは面倒なのだが」

「うーん、これは僕にはなんともできないかなー」


え、なんでにぃは平然と話してるの?

アルトリア様をアルと呼んだのは後で問いただそう。

それよりも戦ったの?一国の王子相手に?

で、勝ったの?


「あれ、ルナとルイシャは?」

「留守番だ」

「あぁ、妥当な判断だね」


私は訳がわからなくなって、同じように困惑しているリリィと見つめ合い、その視線の先をにぃに向ける。

…………説明して(涙)。




「逃げたりはしないでしょ?ねぇ、『死災しさい』様?」




………え?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る