第6話

「「…………え?」」


おいルイシャ。俺のパンを取るでない。お前はたくさん食べただろう。


「にぃ、いつ戦ったの?」

「ん?大体半年前だが?」


そう言うとアリスは顔を顰める。

ふむ、何事も素直が良いと言うが、少々正直に言いすぎたか。


「リツ兄さん。その事を他の誰かに言いましたか?」

「いや?マーリンだけだな」

「そうですか……」


うむ、リリィもすまん。


『あるじー』

「ん、なんだ?」

『この星の奴、南で一緒に戦った奴?』

「「一緒に戦った?」」


あぁ、そう言えばこんな名前だったな。

ふむ、彼奴あやつもいると言うことは、必然的にあいつも………?待ち遠しいな。


「はぁ……にぃはこの事の重大さに気づいて欲しい」

「本当に。ここまでとは。お父様に世間知らずとは伺いましたがここまでとは。約一年共に生活してますが、ここまでとは思いませんでした」


はて?國々を渡り歩いた俺が世間知らずとは。今度マーリンに会ったら否定しておかねばな。


「にぃは何があっても必ず入学式に出る。これ確定」

「そうですね。兄さんは必ず参加で」

「ぬぅ……」


なぜなんだ?

義妹いもうと達が言うには俺は必ず参加だそうだ。

まぁ、生徒はともかく教師陣には俺より強い奴がいるだろうからな。行く意味はあるのだろう。でなければ困るぞ。


§


「これは……」

「「でかい……」」


おぉ、ここまで大きいとは。


「ここまで大きいとは……」

「聞いてない……」

「ふむ、随分と大きいのだな学院とは」

「「いや、ここが大きいだけだから」」


二人して首を振るとは。

三人で見上げる学院は、物凄く大きい。これ、ひょっとしたら城と同じ大きさじゃないか?こんなとこに毎日のように行かねばならないのか?やっぱりやめて………

ん、この気配は……。




「見つけましたよっ!!律神っ!!!」

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