第45話 - 恋人たち

セルフェは自分が操られたことに心を痛めた。


「ごめんね、テシエス。 私が黒い気運に勝てず、ついあなたを害するところだった。 私がまだ足りないせいだよ。」


「いいえ、ミラベルが言ったでしょう。 あなたが自ら止まったって。 あなたはいつも私のセルフェです。」


セルフェとテシエスは抱擁した。




ロンド王子は元気を取り戻したシュピーの肩を抱いた。


「シュピー!あなたが無事でよかった。 さっきチュタがあなたを岩に投げた時、あなたが死ぬかと思ってびっくりしたよ。」


シュピーは涙ぐんだ。


「ロンド王子様! 私のことを心配してくれたんですね。 こんな私でもいいんですか? ロンド王子様。」


「シュピー、もちろん。 あなたは私の大切な人だから。」


シュピーはロンド王子の胸に抱き込まれ、喜びの涙を流した。

もうシュピーの寂しさも終わったのだ。




シグラ王はラミの隣に立っているミラベルに近づいた。


「ミラベル。助けてくれてありがとう。 魔族の道から離れて私たちを助けてくれるなんて本当によくやった。 もう私たちは仲良くしてるんだよね?」


ミラベルは他の場所を見つめながら言った。


「魔族の道から離れたのは事実だが、私は特に君たちを助けた記憶がないんだけど? 仲良くしているなんて、それはまたどういうこと? シグラ王。テシエスとは最初からあまり戦うつもりもなかったが、君との勝負はまだ終わっていない。」


「いや、何だって? まだ戦うつもりか。」


「私は私が愛する女の願いを叶えてあげたことしかない。」


そして、ミラベルは皆が見る前で突然ラミの腰を抱いてキスをした。


シグラ王は少し怒っていた。


「わぁ!かっこいい!」


テシエスは小さく言った。



シグラ王はテシエスの肩に手を当てて優しく微笑んだ。


「テシエス。もうすべてが終わったんだ。」


シグラ王のたった一人のかわいい娘は、父親を見て可愛く笑った。


「いいえ、お父さん。 まだ私がすることが残っています。 私だけができることです。」


「そうか。みんなで行こうぜ。」



シグラ王は皆を近くに呼び集めた。

テシエス、セルフェ、ロンド王子、シュピー、ラミ、ミラベルはもちろん、魔法使いと兵士たちと降伏した反人半馬たちまで一堂に会した。

シグラ王は自分の能力の光ですべての人をアドリベル王国に移動させた。


ミラベルがぶつ言った。


「どこへ行くのかと思ったら、またこの陰惨な景色を見ろというのか? ここは一体どうして来たんだ? シグラ王。」


シグラ王はミラベルを見て微笑んだ。


「今やテシエスだけができることを見てごらん。 すべてのことの終わりであり、始まりだ。」


テシエスは美しい黄金色の瞳でアドリベル王国を眺めた。

みんな何が起こるか静かに眺めていた。


どんどんという轟音とともに黒い城が白い色で覆われ、素敵な白い城に変わり、犠牲者の血が流れていた赤い川はいつのまにかきれいな水が流れる青い川に変わった。

恐ろしい暗雲も消え、日差しの当たる青空が現れた。

美しい花々が咲き乱れ、鳥たちもどこからか飛んできてさえぎった。

シュピーが好きな蝶々も飛び回り、シュピーは追いかけながらぴょんぴょん跳ねた。


テシエスはミラベルに尋ねた。


「ミラベル。半人半馬たちの問題が残っているが、どうしようか? お前の部下だからお前が決めろ。」


「人で作ったほうがいい。 そして、もう私とは関係ないやつらだよ。」



テシエスが自分たちを見つめると、びっくりする半人半馬たち。

しかし、彼らは仕方なく善良な人々に変わってしまった。

セルフェはテシスの手を取り合って言った。


「テシエス。あなたの力は本当に驚く。 これがまさに神からの力だな。」


テシエスは王国全体を変えるのに多くの努力をしたが,めまいがして倒れてしまった。


「テシエス!」


セルフェは彼女を助け、みんな走ってきた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る