第44話 - 現実に現われた幻想
ロンド王子とチュタは戦闘をしていた。
チュタは人間に比べてとてつもない体格をしており、馬蹄で踏みにじろうと飛びかかったが、ロンド王子は立派な腕前で戦った。
ロンド王子の剣に追打する左足に大けがを負った。
「この野郎!あえて私を傷つけるなんて!」
大柄なチュタはロンド王子の剣をごつごつ手で握りしめ、呪文を唱えた。
すると尖った歯のついた大きな花が育ち、ロンド王子の周りを取り囲んだ。
チュタはロンド王子を花たちと戦わせ、半人半馬たちのところに行った。
「チュタ!逃げるのか! 卑怯だ!」
「立ち上がれ!魔族の手下に入った者よ!」
ラミはシグラ王が彼に言った幻想がこれだと気づいた。
セルフェの手に宿っていた黒い気運が吹き出し、彼はチュタに操られた。
「うわっ!」
チュタと半人半馬たちがもがくテシエスを空高く長い棒に縛って吊るした。
セルフェはチュタが投げた魔族の槍を持って空高く長い棒にぶら下がっているテシエスに突進した。
「ダメ!」
ラミは叫んだ。
一方、城では気を失っていたシグラ王が目を覚ました。
テシエスの危険を感じたのだ。
「テシエス!セルフェ!ダメ!」
シグラ王の姿が寝室から消え、ラルン渓谷に再び現れた。
まだ回復していないシグラ王は空間移動をしたせいで力が抜けて一瞬よろめいたが、再び元気を取り戻した。
ラミは彼を見て叫んだ。
「陛下!テシエスが危ないです! セルフェを乾かしてください! 今、黒気に操られています!」
ミラベルはラミを茂みに隠しながら言った。
「ラミ!私が来るまでここに静かに隠れていて。」
「ミラベル。もしかしてテシエスを手伝うつもり?」
「そうだね。テシエスが死んだら、君は悲しむだろう。愛する女を泣かせることはできない。」
ミラベルとシグラ王が消えたが、テシエスとセルフェの隣に再び現れた。
シグラ王は頭巾を外し、ミラベルはセルフェの腕をつかみ、彼から槍を奪った。
「お父さん!気がつきましたね。 よかったです!セルフェはどうなりましたか?」
「大変なことになるところだったのはまさに君だ。私の心配はするな。セルフェも無事だ。」
安心したテシエスは父の胸に抱かれて泣いた。
ミラベルはセルフェを呼んだ。
「ほら、セルフェ。 気がつくの? 私が止める前にすでに自ら止まったよね? やっぱり大魔法使いらしいね。」
セルフェはつぶやいた。
「テシエス……。」
ミラベルは黒い空気のこもった手を握った。
「私がこの厄介な力を抜いてあげる。 ちょっと痛くても我慢して。」
黒い塊が抜け出て手はきれいになった。
ミラベルは黒い塊をチュタに投げた。
ロンド王子に結局敗れたチュタはちょうど倒れており、黒い気運をそのまま受けて爆発してしまった。
チュタの最後の言葉。
「ミラベル!こいつ!」
部下はシュピーがチューリップにしたり、魔法使いや兵士に降伏したりした。
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