第40話 - 好きになった妖精と王子

反人反魔族とチュタはシャイルン王国付近に留まり、次の作戦を準備していた。

帰ってきたミラベルにチュタは、ミラベルが勝手に消えたことと人間を救ってくれたことについて、長々と3時間も追いかけながら小言や険悪な言葉を言った。


ミラベルはまた、チュタの頭を貫通してその場を抜け出した。


シャイルン王国の人々は次の戦いに備えて忙しく動いていた。

ロンド王子とラミ姫は実際の戦闘のように互いに剣術練習をした。


「ラミ姫。この前の戦闘で魔族に捕まったが、ミラベルが助けてくれたと聞きましたが、それは本当ですか?」


「本当です、ロンド王子。」


さりげなく答えるラミ姫に心の中でびっくりするロンド王子。


「ミラベルが一体どうしてそうしたんだろう? おかしくないですか?」


「ミラベルは私たちが思っているほど悪い人ではないかもしれません。 彼の心のどこかに暖かい心が宿っているんです。」


ロンド王子は「そうかもしれない。」と答えたが、ミラベルを信じられなかった。


そして、ラミ姫がミラベルに移るのではないかと心配になった。



シュピーは半人半馬をチューリップにする方法を研究している。

ロンド王子はラミ姫との剣術の練習が終わった後、シュピーに行った。


「シュピー、何をしていますか?」


シュピーは彼を見てにっこり笑った。

笑う時、紫色の蝶の羽がぶるぶる震え、小さな光の粉が飛んだ。


「ロンド、いらっしゃいませ。 今、魔族をチューリップにする研究をしています。 ほとんど成功はしましたが、今になって考えてみるとチューリップよりはバラの花の方がいいと思います。 王子様の考えはどうですか? どの花にしましょうか?」


「チューリップもバラもどんな花でも美しいです。シュピーの好きなようにしてください。 」


「そうしましょうか?では最初に決めた通りチューリップにします。」



シュピーはロンド王子が本当に好きだった。

前回セルフェの封印を解く時、自分に優しい言葉を言ったロンド王子。

自分にそんなに温かい言葉を言ったのは、一生ロンドが初めてだった。

ロンドと前よりずっと近くなって一緒に散歩したり、一緒に笑ったりする。


しかし、シュピーは少し不安だった。

彼は私のことが本当に好きなのかな?

ただ私を可哀想に思って付き合ってくれるんじゃないかな?

シュピーはいたずらではあったが、それはとにかく過ちを犯したのだ。

テシエスとラミを500年間眠らせたのも。


それでラミは家族はもちろん友人と知り合いと皆別れてしまいこの世に一人になってしまったのだ。

今、テシエスとシュピーがあるんですけど。

そしてネットガルト王国の女王になる正統王位継承者だったがシュピーのいたずらで···


このような自分をロンドが好きになってくれるか確信がなかった。


ロンド王子は最初シュピーが好きではなかった。

悪戯ばかりする妖精だと思っていた。

突然現れ、嘘で二人の少女のうち一人にキスしろと言っては、ずっと現れもせず、突然シャイルン王国で一行を待っているのではないか。

間違いもなさそうなセルフェにナイフを投げて口を閉じてしまって。

かわいそうに自分が白馬だと思って生きてきたセルフェの記憶を早く解いてあげようともせず、暇さえあればセルフェを攻撃して封印を強くすることだけを考えて…。

また、シグラ王が封印を解こうとする日に泣きながら、「ダメ!ダメ!」と叫ぶだけだった。


そして、テシエスとセルフェの記憶まで封印してしまった。

ラミ姫は強くてそぶりはしないが、とても寂しいだろうと時々彼女をかわいそうに思うロンド王子。

それにもかかわらず、ロンド王子がシュピーを好きになったのは、彼女がそのようなことをしたのはセルフェを心から愛していたからだったという事実を知ってからだった。


いたずらばかりするわがままなシューピーだと思ったら、誰かを心から愛する気持ちを持っていることにロンドは憐憫を持った。

そして、シュピーがだんだん好きになったのだ。

シュピーのウェーブの青い髪も紫色の蝶の羽も可愛らしかった。

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