第38話 - 大魔法使いセルフェ、シグラ王を救う
テシエスをかばって矢に当たったのはシグラ王だった。
「ダメ!お父さん! お父さん!」
地面に用心深く降りてきたテシエスとシグラ王。
「陛下!」
「陛下!気を失ってはいけません!」
「早く回復魔法を!」
ロンド王子が矢を抜き、大魔法使いのセルフェとテシエスが回復魔法をかけたが、黒く染まった傷は簡単に治らなかった。
兵士たちが彼らの周りを取り囲んで防御し、ロンド王子とラミとシュピーが先頭に立って半人半馬たちを破った。
チュタはミラベルを探したが、彼は見えなかった。
チュタは歯ぎしりで怒った。
シグラ王を早く治療しなければならない状況。
彼の命が危険だった。
セルフェの心は焦っていた。
「魔族の矢に当たった傷は簡単になくならない。 誰かが黒い気運を吸収しなければならない。 黒い気運が消えれば陛下は治るだろう。」
「それなら私がやります!」
「テシエス、ダメ。 あなたは神から受けた使命があるじゃないか。 今はそれが何なのか分からないけど、いつかはその使命を果たさなければならない。 私がやるよ。」
テシエスは五色の涙を流しながらセルフェを抱いた。
「ダメ!あなたをまた失うことはできません! セルフェ!」
「私は大魔法使いだから黒い気運に耐えるよ。 心配するな。」
セルフェが傷口に両手を当てて呪文を唱えると、黒い気運がセルフェの手に吸収された。
セルフェの手は黒になり、シグラ王は息をし始めた。
「お父さん!」
セルフェは黒い手がずきずき痛むのをかろうじてこらえた。
その瞬間、兵士たちが騒がしくなった。
半人半馬たちがロンド王子とラミ姫、シュピーを退けて兵士たちの防御膜を突き破って入ってくるのだった。
ロンド王子が送ったシュピーが蝶の羽をひらひらさせながら空から降りてきた。
彼女はシーグラ王を助けながらテシエスに言った。
「早く陛下を安全な場所に避難させなければならない。」
「テシエス。私はここで戦うから、あなたはシュピーと一緒に城に入りなさい。」
「セルフェ、必ず無事に帰ってこなければなりません。」
「私の愛するテシエス。 心配しないでください。 私は必ずあなたのそばに帰るから。また数百年経ったとしても必ずあなたに会うよ。」
テシエスはセルフェのことを非常に心配していたが,何人かの兵士とともに急いで城に戻った。
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