第33話 - ロンド王子の暖かい慰め
それから3日が経って、不気味なアドリベル王国には依然として犠牲者の悲鳴が絶えなかった。
ミラベルに攻撃された頭の傷がまだ治らず、包帯を巻いているチュタは部下に聞いた。
「あいつはどうだ?」
「3日目になると、体を侵食していた光が消え、ようやく回復し始めました。 シグラ王のその攻撃にも光で酸化されることなく打ち勝ったなんて、やはりミラベル様です。」
片手であごを抱えて椅子に座って聞いていたチュタは部下に「もう退け」と手招きした。
「ふん!あの悪魔がふざけたのにひどくやられてきたんだな。」
「ダメ!ダメ!」
もがくシュピーを侍女たちが捕らえた。
シグラ王が定めたセルフェの記憶を完全に取り戻すその日だからだ。
「シュピー!一体どうしたの? セルフェの記憶が戻ってはいけない理由でもあるの?」
「言ってみろ。 私たちが手伝うこともできるよ。」
テシエスとラミは泣いているシュピーをなだめてみたが,彼女は「だめだ」とだけ叫んだ。
「妖精シュピー。今からでも自分で封印を解くつもりはないのか?」
シグラ王もシュピーを気の毒に思った。
ロンド王子はシュピーに近づき、慰めの言葉を述べた。
「シュピー、あなたはいたずらが好きです。 それは寂しいからだと聞いた。 決して悪い意味はないことを私は知っている。 いたずらが少しやりすぎただけだよ。 あなたはいい人だろう。 だからセルフェの記憶を返して。 ああやって置いておくと、セルフェが本当にかわいそうじゃん。 セルフェは自分が白馬だと思って過ごした。 シュピー、私はあなたを信じている。」
シュピーは心からのロンド王子の目をのぞき込んだ。
本当に数百年ぶりに見る優しい目つきだった。
シュピーはもう少しすすり泣き、落ち着いていつものように戻ってきた。
ホールの真ん中に立っているセルフェに言った。
「セルフェ。私はもう君が嫌いだ。 あなたが私を見ないこともこれ以上気にしない。 それだけ知っておいて。バカ。」
セルフェはびっくりした。
「いや、じゃあ、大魔法使いだった私がシュピーのことが好きではなかったと長年白馬で暮らさせたの? これはひどいよ。」
シュピーが続けて言った。
「陛下、私は記憶を封印しただけで、破ることはできません。 セルフェはもちろん、テシエスの記憶も封印を解除しなければなりません。 テシエスが500年間眠っていた時、セルフェに対する記憶を封印してテシエスとセルフェはお互いに見違えるのです。」
みんなびっくりしてテシエスとセルフェを見た。
「私の記憶も封印した? 気づかなかったのに。 なんてことだ。シュピー、どうしたの?」
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