第25話 - 大魔法使い セルフェ
一行は神殿の高い階段を登り、大きな門の前に着いた。
ロンド王子とセルフェが力いっぱい押すと、キィーっと巨大なドアが開き、一行は中に入ることができた。
人々が入ってきたことを神殿が感じたのか、壁にずっと設置されているそれぞれの背中に自然に明かりがついた。
長い廊下を歩く一行。
廊下の端に着くと、広々としたホールが登場した。
中央に向かって4方向に赤い絨毯がずらりと敷かれており、その中には光の柱があったが、その柱の中に肖像画を持った翼付き女性の彫像がふわふわ浮かんでいた。
その彫像はゆっくりと回転していた。
みんな近づいてその肖像画を注意深く見た。
「いや、この人は?」
4人は驚いて同時に叫んだ。
「セルフェに似てる!」
みんなの叫び。
とても長い白い髪に輝く青い瞳。
端正な青い服を着て宝石が飾られた白いマントを羽織った穏やかな表情の男。
彼はセルフェが大人になったようだった。
セルフェは興奮した。
「この肖像画が私の本当の姿かもしれません。 テシエス様、ここは何の神殿ですか? みんな早く調べてみましょう。」
「セルフェ、落ち着いて。 ちょっと待って。 私が調べてみるよ。」
テシエスの両手から伸びた光が神殿をゆっくりと見回した。
彼女は神殿の歴史を読み始めた。
「大魔法使いの神殿。 彼の名前はセルフェ。 1000年を生き、穏やかな性格で皆から尊敬された。 人々は彼を称えてこの神殿を建てた。 そして、また……。」
セルフェはいらいらしてテッシエスを急いだ。
「そしてまたどういうことですか?」
テシエスはそっと目を閉じて言った。
「聖人君子のセルフェは一度も恋をしたことがないと記録されている。」
「聖人君子ですって?」
セルフェは意外な言葉に驚いた。
‘私が聖人君子だったというのか?’
「ホホホ。今見たらすごい人だったね。 1000年も生きたって?」
ラミはセルフェの肩をポンとたたいて笑った。
「白馬だと思っていたのに、君が急に違って見えるんだ。」
「セルフェは私が妖精の森で発見した白馬なんだけど。 大魔法使いだったら、なぜそこに白馬になって一人でいたのだろうか。大魔法使いが勝てない者は誰だろうか?」
ロンド王子はとても気になっていた。
「その理由はわかりません。 白馬になるずっと前に建てられたものなので、この神殿にはそれに対する手がかりはありません。」
テシエスは答えた。
「ロンド王子はどうやって白馬の名前がセルフェだと知っていたの?」
ラミは王子に尋ねた。
「発見した当時、白馬の首にセルフェという名前が書かれた木がかかっていた。」
テシエスはうなずいた。
「前にセルフェの記憶で見ました。」
セルフェは頭を抱えて言った。
「一言で要約すると、私が大魔法使いだったのですが、誰かが白馬にして妖精の森に捨てた後、ロンド王子様が発見して今まで白馬として生きていたということでしょう?」
「そういうことだよ。でも、君が誰なのかは分かるようになったからせめてもの救いだよ。 そうじゃない、セルフェ? もうその石板だけ割ればいいんだ。」
ロンド王子はセルフェを軽くたたいて慰めた。ラミ姫はじっくり考えた。
「セルフェは恨みを買うほどの人でもなかったとし、一体誰がそうしたのだろうか? しかも大魔法使いが勝てない人は誰だろうか? テシエス。長生きしたから多くの人を知っていると思うけど、その中で誰か気になる人はいない?」
「私ほどではないけど、君も長生きしたじゃん。 君こそ思い出す人いないの?」
「ないよ。」
姫は断固として答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます