第20話 - ロンド王子の手腕

3日間、果てしない草原を走っているテシエス一行。

これまで村がなくて休めなかったため、皆とても疲れた状態だった。


「みんなあそこを見て! 小屋がある!」


テシエスが指差したところを見ると、倒れていく小屋と井戸があった。

黒髪を両側に編んだ背の低い太ったおばさんと茶色の肌のちびっ子が井戸から水を汲んでいた。

テシエス一行はそこに近づいた。

ロンド王子はおばさんに近づき、ここでしばらく休んでもいいかと尋ねた。


「ヨラララ、ウララ、キルル。」


おばさんの答えは奇妙だった。

ロンド王子が再び尋ねたが、今回も変な返事が返ってくるだけだった。


テシエスは言った。


「他の国の言語なので聞き取れません。 王子様。」


ロンド王子は考えた。


‘ここで休まなければ皆倒れるよ。’


ロンド王子は小屋を指差して眠るふりをして井戸に行って水を飲む真似をした。

そしてポケットからきれいな宝石を取り出して見せた。

おばさんが目を丸くして大声で叫んだ。


「デグリ、スンデングリ、カコロ? (これはなんで横柄なんだ?) 」



平たい丸い顔に笑いの花が咲いたおばさんは、ロンド王子の背中を押しながら小屋に入り、王子は振り返りながら一行に話した。


「言葉が通じたようだ。 私たちに休んで行けということだよね?」


子供は他の一行に飛び跳ねながら中に入ろうという身振りをした。


「カコロ ロルラ ヒグ。 (早く入って休んでください。) 」


テシエスとセルフェとラミは不明瞭な口調でおしゃべりをする子供を見た。姫が面白いという表情をした。


「あれはどこの国のこと?」


テシエスは微笑んだ。


「とにかく私たちに入って休めと言っているようだ。」

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