第16話 - 妖精たちの黄金の繭

テシエスは空中をかき乱し,炎が起き,ラミ 姫を襲った。


めらめら。

キーイング!


しかし、姫の剣に触れると両側に分かれる火炎。

テシエスの手振りに火炎が再びラミ姫の周りをぐるぐる回った。

ラミ姫は剣で火炎をはじき出したが、次第に狭めてくる炎を全て消すことはできなかった。

姫が剣を持って目を閉じた。

剣からジーイングー! という音とともに振動が起き、炎が消えた。


テシエスが呪文を唱えると空中に円を描きながら回転する光が現れた。

そこから三角帽子をかぶった白いひげを生やした小さな妖精たちが一列に歩いてきた。

テシエスが魔法で作った妖精たちだ。


ラミ姫の周りを取り囲むと、妖精が叫んだ。


「 準備! 」


妖精たちはみんな両手を上げた。


「投げて!かかってこい!」


両手には小さな物があった。

妖精たちが一斉にほうき、黄金の鐘、皿、磁器で作ったやかん、ギフトボックス、帽子など小さながらくたをラミ姫に投げつけ、彼女に飛びついた。

それらのガラクタは妖精たちが使う物だ。

それらの小さな品物はラミにぴったりくっついた。

物から黄金の糸が出てきてラミを包んで黄金の繭になってしまった。

黄金繭の中のラミ姫は繭を剣で刺し、精神を集中させた。

すると剣に書いてある文字が赤く変わり、剣から気が立ち始めた。

繭に小さなひびが入った。

三角帽子の妖精の一人がテシエスに敬礼し、テシエスは微笑んでうなずいた。

妖精たちが再び光の円に一列に歩いて入った後、円は消えた。

テシエスは黄金の繭を眺めた。



チャッ!チャッ!


黄金の繭が割れて大きな音を立てて四方に散らばった。


「ホホホホ!テシエス! 今私をからかっているのか。」


ラミ姫はしっかりと立ちはだかって叫んだ。

テシエスは巨大な黄金色の球を作り,姫に投げつけながら叫んだ。


「もう悔い改めないか!ラミ!」


ラミ姫が剣を振り回して飛びついた。


「ホホホホ!黙れ! テシエス!」


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