第11話 - 狼の首がほしい竜
セルフェはテシエスと身を守るために防衛に乗り出した。
「これはどう? 」
イェニはパパイヤを両手でひねって半分に割った。
半分に割れたパパイヤは飛んでいき、それぞれ青いロボットと黄色いロボットに変身した。
青いロボットはテシエスに向かって大きな口から大量の水をこぼした。
テシエスは両手で黒いホールを作り,こぼれる水をそこに移動させた。
セルフェは自分を追いかけてきて、大きな火の玉を浴びせる黄色いロボットをあちこち避けた。
黄色いロボットが体を後ろに反らし、大きな火の玉を作り出してセルフェの頭の上に飛ばした。
頭上に落ちる火の玉。
セルフェの目がぴかぴかと輝いた。
「私を守る精霊よ、敵をやっつけろ。」
セルフェの右手に広がる赤い魔法陣が大きな火の玉と衝突した。
火の玉があっという間に灰に変わってしまい、その赤い魔法陣がイェニの真上に現れ、そこから灰が出てイェニにこぼれた。
「きゃあ!」
灰に埋もれたイェニ。
そして、灰のせいで広がった濃い煙。
セルフェは叫んだ。
「退けたかな?」
「セルフェ。早くここから抜け出そう。」
パッ!
灰の山の中で爆発が起き、怒りの気運が燃え上がるイェニが立ち上がった。
「私を灰に埋もれるなんて!」
イェニの燃え上がる怒りに彼女についた灰がすべて消えてしまった。
イェニはかごからブルーベリーを取り出してかんで食べた。
「テシエス様。 何が起こるんですか。」
イェニの腕と足が長くなり、体も次第に大きくなり、尻尾ができ、色が黒くなり、つややかな家並みの黒い竜に変身した。
めらめら。
口から火を噴き出す龍によって周囲が火の海になってしまった。
「レハラピラミス!」
テシエスの周囲から湧き出ていた水は、すぐに高い津波となり、龍を覆ってしまった。
「くあっ!」
龍は竜巻の水柱に閉じ込められて息ができなくてもがいた。
「テシエス様! すごいですよ!」
炎は消え、水をたくさん飲んだ龍は力なく座り込んで咳をしていた。
龍の口から火はもう出ず、黒い煙だけがぷんと出てきた。
「もう道をあけないで。 イェニ。君は僕に勝てない。」
「やっぱりテシエスが強いという噂は嘘じゃなかったんだな。」
龍の長い尻尾がそっと彼らの前を塞いだ。
今度はテシエスとセルフェが右に出ようとした。
また、龍がそっと尻尾で彼らの前を塞いだ。
龍が口から煙を吹き出して言った。
「私はラミ姫の味方になるために戦うのではない。 ラミが今度テシエスをなくすのを手伝えば、伝説のオオカミを探して首を持ってきてあげると言った。」
セルフェは鳥肌が立って顔が白くなった。
「いや、あの女はその姫がただ言ったことを信じるのかい?」
「だからテシエスと白髪。 まだ戦いは終わっていない。 私の戦いはそのオオカミの首を切る日まで終わらない!」
「私は白髪じゃない。 セルフェだ。」
龍が息を吸ったらぱっと口からさっきより熱い炎を吐き出した。
「卑怯だ!」
テシエスは炎を防ごうとして叫んだ。
「誰が卑怯だと言うの? その無責任なオオカミの首を持ってきてくれるというが…。」
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