第9話 - 執念のはじまり

一方、ついにネットガルト王国に到着したテシエスとセルフェは、丘から王国を見下ろしていた。

王国のきらびやかな光は夜空の下でますます威容を放っていた。


「本当に広大ですね。 ものすごく大きな王国です。 不思議なことがたくさんあります。あっ!テシエス様。 あれは何ですか?」


ゆっくり歩きながら両腕で重い物を運ぶ巨大なロボットを指すセルフェ。


「あれはロボットだよ。 王国にはあんな機械がたくさんあるよ。 ラミ姫は幼い頃から魔法に立ち向かう奇抜な武器をたくさん発明した。 今もどんな武器があるか分からないから気をつけないと、セルフェ。 私はこの黄金の雪があるから心配することはないんだけど。」


「テシエス様のあの美しい瞳のことですよね?」


「うん。私の瞳についてはだんだん分かるようになるよ。 さあ、早く行こう! ロンド王子様を助けに!」


「はい!」




デュ·タワー。


軽い金属の赤い鎧にマントをつけたラミ姫が玉座に座ってあごをつついて眠っていた。




ラミ姫が10歳の時のことだ。

ラミ姫が多くの国の王子と王女、貴族の子供たちと一緒に大きなホールで鬼ごっこをしながら遊んでいた。

最もきれいなドレスを着たラミは子供たちの隊長だった。

その時、髪の毛を高くひねった謹厳な表情の先生が手をたたきながら子供たちを呼んだ。



「皆さん、さあ。 もう授業を始めなければならないので席に座りなさい。」


子供たちがきらきらとした目で先生の話を聞いていた。


「さあ、みなさん。 今日は新しい友達を紹介します。 我が王国の文物を学びに遠いシャイルン王国から来た友人です。 名前はテシエス·ミル·ティラス·ロシエール。 新しい友達と仲良くしましょう。」


10歳の少女が微笑んで立っていた。

柔らかな空色の髪にキラキラ輝く黄金色の瞳。

金色の糸で刺繍された薄紫色の服に白い袖、赤い宝石で飾った足もとまで引かれるマント。

素敵なテシエスに惚れた子供たち。

黄金色の瞳のテシエスは微笑んだ。


「みんな、仲良くしよう。」


声も露が葉っぱからころころと転がるように澄んで美しかった。


テシエスの生まれつきの魅力に友達は皆彼女を好きになった。


突然現れたテシエスに人気を奪われたラミはとても腹が立った。

彼女はテシエスに勝って1位の座を取り戻すために徹夜で勉強したりもした。




しかし。


「あら!テシエスは今回もまた1位ですね。 先生は本当に教える甲斐を感じます。」


先生は笑顔で顔を赤らめるテシエスの頭をなでた。

友達が言った。


「わあ!テッシー、本当にすごい。 シャイルン王国の人はやっぱり違うんだね。」



ラミ姫は悔しくてノートをバラバラに破ってしまった。

ラミ姫は今度は盛大なパーティーを開き、皆を招待した。



「舞踏会では姫が当然主人公だよ。 すべての人々が私だけを見つめるだろう。

ホホホホ!」


しかし。

銀色のドレスを着たテシエスはとても美しく、みんな彼女を賛美した。

ラミは怒って扇子を投げ捨てた。


それからラミはテッシーエスを見るたびにうなり声を上げた。



玉座に座って眠っていたラミ姫が目を覚ました。


「テシエスがいつ現れるか分からないのに 寝るなんて。」


突然警報音が大きく鳴った。


ディヨ!ディヨ!ディヨ!


「もしかしてテシエスが?」


画面にテシエススとセルフェが廊下を走ってくる姿が映し出された。


「ホホホホ!やっと来たんだ。 テシエス。もう復讐の時間だ。」


そう言っていたラミ姫は画面をじっと見つめた。

セルフェを見ながら首をかしげた。


「あの小僧はだれ?」

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