第8話 - 王子の試練
デュタワーの頂上の天井は透明になっていて、そこにいる人は熱い日差しを浴びなければならない一種の拷問室だった。
四方から伸びた長い鎖に手足を縛られたロンド王子が抜け出すためにもがいていた。
ロンド王子はラミ姫が水だと騙した薬を飲んで気を失って鎖に縛られたのだった。
ドアが開き、姫が入ってきた。
「縛られている感想はどう?」
目を見開いて姫に叫んだ。
「私はリルド王国のロンド王子だ。私にこんなふうに接するなんて、リルド王国への挑戦だ。 今すぐ鎖を解け。」
「私はネットガルト王国のラミ姫だ。 答えは「いやだ」だ。」
「何だって?それならリルド王国に対する宣戦布告と見ていいのか?」
「それも嫌だ。」
「何が?一体どうして私を捕まえてきたの? 今すぐテシエスのもとに帰れないだろうか。」
ラミ姫はロンド王子のあごを上げた。
「テシエスはいつも私のものを奪ってきた。 これからはテシエスのものを私が奪う番だ。王子はテシエスに勝った後に解放してあげるから、その時までおとなしくしていてね。」
「ラミ姫。テシエスに負けたことを私に腹を立てているんだね。」
姫は冷たく微笑んで王子を振り返った。
「王子。私を見下してはいけない。 私は他の世界の滅亡を防ぐ人だった。」
「ある妖精がそんなことを言ったのに、それはどういうこと?」
「私を選んだら、あなたは異界を救う冒険をしているでしょう。」
「そんなことを信じると思う? 一体誰がこんなとんでもないいたずらを。」
「信じられないのも無理はないよ。 そうだね。本物かもしれないし、偽物かもしれない。 その妖精のいたずらはどこまでなのか分からないから。 テシエスにキスした今妖精の言葉通り、私たちの世界に滅亡が近づいてくるかもしれない。 妖精は長生きするから退屈するよね。それで、いたずらをするんだ。私とテシエスも青い髪の妖精を知ったから巻き込まれたの。」
「その妖精も姫も性格がおかしい。優しいテシエスが気苦労がひどかったと思うんだけど。」
それを聞いた姫が笑った。
「電気ショック!」
チクチク!チクチク!チクチク!
鎖から高圧電流が流れ、ロンド王子は悲鳴を上げた。
「うわっ!」
「ホホホホ!私にむやみにしゃべるやつは隣国の王だと言ってもただではおかない。」
高圧電流が流れる鎖をそのまま置いて出て行ってしまうラミ姫だった。
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