第5話 - 出会い

翌日。

日差しがさして鳥たちが楽しそうにさえずる森の中を歩いていた

テシエスとセルフェ。


「なぜラミ姫と一緒に城で眠っていたのですか?」


セルフェの突然の質問にテシエスはびっくりした。


「その城はシュピーの別荘だよ。」


「シュピー?シュピーって誰ですか?」


「青い髪に蝶の羽がついた妖精だよ。私とラミ姫とシュピーは友達だった。

ところで、シュピーがいたずらをするのが大好きで、私と姫を500年間も眠らせたの。」


「え?500年もですか? いや、どうしてそんなひどいいたずらをしたんですか。」


「数千年前、妖精戦争が起こった。妖精たちがほとんど死んでシュピーを含めて数人だけが残った。その妖精たちもお互いに会わずに別々に隠れて過ごすという。 それで、シュピーは一人で長い歳月を生きながら寂しがり屋に変わったの。 飽きっぽいよ。 人や動物ごとに見るだけでいたずらをして困らせる。 その事実を知ったが、私とラミはシュピーと親しい友達になった。 私たちがいるから、シュピーが寂しくないんじゃないかと思った。ところで、まさか私たちにまでいたずらをするとは……」



「シュピーと最初どうやって出会ったんですか?」


「それはね。 私が人間の年で9歳の時、故郷のシャイルン王国を離れて魔法をもっと研究するために旅行をしていた。」


話は過去に流れる。


ある日。

シュピーは紫色の蝶の形をした翼を広げて空を飛んでいた。

そうするうちに野原にそっと降りてきて突然前に倒れた。


「あ!もう力がない……私は……ここまでかな……。」


その時夕立が降り出した。

夕立はシュピーの繊細で透明な翼を濡らし始めた。

気絶したシュピーは翼が破れることも感じられずにいた。

誰かが大きな葉っぱを持って近づいてきた。

テシエスだった。


「妖精がこんなところに倒れているなんて。 あっ! 翼が破れたね。妖精は翼が破れたら死ぬと聞いたが、まだ無事なのか。あ!幸いにもまだ生きているんだ。私が助けてあげないと。」


テシエスの両手から緑の元気が広がり,雨は止んだ。

空いていた野原に青々とした木々がすくすく育ち始めた。

周囲はすぐに鬱蒼とした森に変わった。


「森の中だから、もう一段と呼吸がよくなったはず。」


妖精の翼に息吹を吹き込み、最高の回復魔法をかけた。


「妖精の翼よ!本来の美しい姿に戻れ。 新鮮な茎よ! 隅々まで伸びろ。 紫よ! 透明な光に生まれ変われ。 か細いが強い翼の姿で戻ってこい!」


やがてシュピーは目を開けて優しく笑っているテシエスを見た。


「もう安心してもいいよ。 ここは私が作った森で、あなたの翼も以前より丈夫になったよ。」


ありがたさがたっぷり詰まったシュピーの声。


「ありがとう……」


青い髪の妖精とテシエスは友達になった。

シュピーの勧めでテシエスは妖精の森にしばらく滞在し、妖精の魔法を学ぶことにした。

ところが、シュピーが時々テシエスにいたずらをし、テシエスはその度に強力な魔法で青い髪の妖精を懲らしめた。

ある時は稲妻魔法で、ある時は魚に変わらせるなど。

しかし、青い髪の妖精のいたずらはきりがなかった。

そうするうちにテシエスがネットガルト王国に勉強しに旅立ち、しばらくして青い髪の妖精はテシエスに会いに王国の城に忍び込んだ。

ちょうどテシエスをライバル視する執念のラミ姫を救うことになり、彼女に長生きできる薬を与え、彼女とも親しくなった。

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