第4話 - 得体

テシエスがセルフェの記憶から出ようとしたとき、金色の文字が書かれた青い石板がちらっと見えた。


‘あっ!あれ何だっけ?’


もう一度見ようとした時は、すでに消えていた。

テシエスはセルフェの額から手を引いた。

セルフェはとても気になった。


「白馬ですよね?」


「ロンド王子様に会う前にどこで何をしたか覚えていない?」


セルフェは首をかしげた。


「ただ、限りなく青い野原を走ったばかりです。 覚えているのはそれしかありません。」



「君の記憶の中から出てくる途中、青色の四角い石板を見たが、それを破ってこそ記憶が戻ってくるだろう。 君がロンド王子様に会う前の記憶が全くない。野原を走ったということは、あなたが自ら白馬だと信じさせるための歓迎だろう。その青い石板は一体誰のものだろうか。 なぜ誰が記憶を封印して妖精の森に捨てたのだろうか。 」


セルフェはにっこりと笑った。


「それでは私が白馬ではなく人間だったのかもしれないということですね?」


「人だった可能性が高い。それも実力の優れた魔法使い。

その石版からどうすればいいんだ…」


いつの間にか夜が訪れ、空からは悠々と天の川が流れていた。


‘ 私の得体は何だろう? 私はどこから来たのかな? 本当に人だったというのか。 ’


多くの考えにふけって眠れないセルフェ。

そんなセルフェを眺めながら、テシエスも石版について深く悩んでいた。

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