第2話 - 王子のキスは誰に?
「 やっぱり私の情報が正確だね。 ここがまさにその城だ。 伝説は事実だった!」
王子は剣でバラのつるをかき分けながら前に進んだついに城が現れた。
古く廃墟と化した城は苔とバラのつるで覆われていた。
開けっ放しの城の入り口。
「 セルフェ。君は外で待って。」
城内のあちこちには雑草が生い茂っていて、小さな動物たちが突然現れた王子を見て驚いて逃げた。
ロンド王子は城の頂上に伝説の何かが隠されていると聞いたので、塔に上がるために長い階段を登り始めた。
今にも崩れそうな石段を登って到着した塔の入口はクヌギのドアで堅く閉ざされていたが、荒廃した他の場所とは違ってまだ大丈夫だった。
ロンドはドアのそばにかかっている鍵を見た。
鍵でドアを開けた。
パシャッ。
ドアを開けて入ったところは、ただの塔の部屋ではなかった
美しい花が咲き乱れるもう一つの森の中だった。
鳥たちが楽しそうにさえずり,背の高い木々の間から黄金色の日差しが照らされていた。
燦爛たる深紅色の木の葉が生い茂る2本の木の下に置かれた2つのベッドには、空色の髪の少女と金髪の少女が眠っていた。
空色の髪の少女のベッドの枕元には「最強の魔法使い」と書いてあり、金髪の少女の枕元には「プリンセス」と書いてあった。
ロンド王子は不思議な思いをした。
‘森の中にベッドって? あの少女たちは誰かな?’
その時、突然きらめく光が起き、透明な蝶の羽を持った青い髪の妖精が現れた。
「 ロンド王子よ!あなたは世界の未来を選ぶ運命に恵まれている。 魔法使いはこの世の滅亡を防ぎ、プリンセスは異界の滅亡を防ぐだろう。 これからあなたが2人の少女のうち誰にキスするかによって宇宙の車輪が回り始めるだろう。選んだ彼女と一緒に冒険を始めるのだ。」
青い髪の妖精は言葉を終えて消えた。
「 この世界と異界の未来がかかっているって?」
ロンドは王女の隣に座り,彼女をのぞき込んだ。
「 この姫は異世界の滅亡を防ぐと?」
金髪に小さな王冠をかぶって赤いドレスを着ていた。
バラ色の頬は彼女が生きていることを感じさせた。
今度は魔法使いの隣に座って彼女を覗く王子。
さわやかな空色の髪に金色の模様が刺繍された足もとまで来る白い服を着て赤いマントをしていた。
「 私のいるこの世界がか弱いこの少女にかかっているというのか。」
彼女の髪をそっと撫でた。
ロンド王子は魔法使いの少女にそっとキスをした。
二つの世界のことを忘れてしまい、少女の魅力に思わず惹かれたのだ。
魔法使いの少女が大きくて美しい目を開けた。
ロンド王子は微笑んだ。
「 私はロンド王子です。 あなたのなまえはなんですか?」
少女は金色の瞳をまばたきながら答えた。
「 テシエスです。」
「 美しい名前ですね。 あなたは本当に最強の魔法使いですか? なぜここに眠っていたのですか?」
「 それは……。」
その時「ああ」という音が後ろから聞こえてきて姫が伸びながら目を覚ました。
王子とテシエスは彼女を見た。
姫が目をこすりながら言った。
「 寝すぎたね。 私のスタイルが全部しわくちゃになったんじゃないの?」
姫が自分を見つめている王子とテシエスを見た。
姫は目を見上げ、卑劣な笑みを浮かべながら言った。
「 見たところ、私を選んでいないようだね。 私はキスで目覚めたんじゃないんだ。 反作用で目覚めたんだね。テシエス。 君が今回も勝ったと思うけど、勝負はこれからだ。」
大きな機械腕が突然ベッドの下から出てきて、あっという間に王子を釣ってロボット馬に乗って空の上に飛んでしまった。
「 ホホホホ!この者を取り戻したいなら、あなたもよく知っている私の科学の王国、ネットガルトのデュタワーに来なさい!」
テシエスは追いかけながら叫んだ。
「 ダメ!ラミ!ロンド王子を返して!」
「 テシエス! 」
哀切なロンド王子の叫び。
崩れる城。
その中にテシエスが立っていた。
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