光の時間の向こうに…
Whitestar
第1話 - 誕生
一面白っぽい空間。
何も存在しない。
ところが、その中でふと黄金色の光が生まれた。
明るく輝く黄金色は美しい音を立てて次第に大きくなり、人の形になった。
空色の柔らかい髪に白い肌をしている赤ん坊。
白色でいっぱいだった空間がオレンジ色、オレンジ色に染まった。
足元まで引かれるほど長い茶色の髪をした背の高い男がすーっと現れ、その赤ちゃんを暖かく両腕で抱きしめた。
まっすぐ立った白いカラーに金色の模様が刺繍された白い服を着て、緑色のマントを羽織っている男は柔らかい笑みを浮かべ、赤ちゃんはいつの間にか服を着ていた。
驚いたことに、その服は彼の服と同じものだった。
小さなその服がどうしてそんなに赤ちゃんによく似合うのだろうか。
いつのまにか集まっても、多くの人が赤ちゃんを見てにっこり笑った。
男が優しく赤ちゃんを呼んだ。
「 テシエス。」
赤ちゃんは目を開けて男を見つめながらにっこりと笑った。
テシエスの瞳は、相手を吸い込むような透明でキラキラ輝く美しい黄金色だった。
長い年月が流れた。
伝説の森に白馬に乗って現れた一人の若者。
金髪のあの若者はリルド王国の第一王子ロンド。
ロンド王子は幼い頃から伝説的な物語に興味を持っていた。
それで、白馬セルフェに乗って伝説の神秘を追ってあちこち旅行に行ったりした。
そうするうちに結局伝説の森を見つけ出し果てしなく深く広いここまで来るようになったのだ。
収集した情報を集めて直接作った地図を広げてみた王子は、怪しそうな表情を浮かべながら、しきりにあごを撫でた。
「 ふむ。確かにこの辺みたいだけど。バラのつるで覆われた城がどうして出てこないんだろう? セルフェ、あなたの考えはどう?」
セルフェはぷるぷる音を立ててうなずいた。
「 君の考えもそうだよね? うん。こっちに行ってみよう。」
王子とセルフェはますます鬱蒼とした森の中に入った。
コウモリの群れと戦いながら真っ暗な洞窟の中を抜け、雄大な滝の下も通るなど、さまざまな険しい道を経て、王子とセルフェはついにびっしりとしたバラのつるに囲まれた城を発見した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます