第87話 街作りの為の準備をはじめる男

帝国の帝都で狙っていたスキルや、

思いもよらない出会いをした俺達は


「折角だから帝都の進んだマジックアイテムを見て行こう。」


となり、マジックアイテム商会に来たのだが、個人用に加えて、街用の大型マジックアイテムもあった。


「凄いな、もう、帝都に引っ越したいよ…」


と呟きながら見て回る。


〈魔石街灯管理システム〉

魔石街灯〈百本〉と管理基盤のセット

『スイッチひとつで町中をパッと明るく!』

とポップが書いてあり


『大金貨30枚』


と値札がついていた。


…買いだな。


街の街灯を決めたあと、店内徘徊を再開する。


そしてすぐに足が止まった。


〈汚水処理システム〉 (中規模都市用)


〈クリーン〉の生活魔法と、

〈範囲拡大〉のスキル

〈威力強化〉のスキル


で汚水層の中の水を浄化して川などに排水出来るマジックアイテム。


『大型の魔石タンクを搭載した最新型』

『効率的な処理についての冊子付き』


とポップが書いてあり


『大金貨100枚』


と値札ががある…


今回の買い出し資金が大金貨500枚、

スパイスバブルと

乾燥パスタや乳製品事業が当たり、

相変わらず板バネや手押しポンプの需要が高いので予算が潤沢だが、


街の整備の必要経費ですっ飛ぶなぁ、


まさかベンさんもほぼ使いきって帰るとは思ってないだろうが…


良いよね。


2つ買っちゃおう。


もうね街灯は3セット買っちゃおう。


もう〈買い物ハイ〉が訪れた俺がレジに向かう。


そこで、


〈思い出モニター〉というマジックアイテムを見つけた。


〈テレビだ。昔のブラウン管テレビがある〉


棚に『お試しコーナー』と書いてあり


『本体上部の水晶に触れて出来るだけ鮮明に思い出せた記憶の視界映像を写しだします。※音はでません』


と説明が書いてあった。


〈うーん?試してみたいが何を思い出そう…〉


悩んだ末、日本の旅行で訪れた、町並みや紅葉、雪景色、桜並木…


もう、見れないと思っていた景色がそこに有った。


涙を流していると俺の横でモニターを見ていたサラが、ギュッと抱きつき、


「きれいだね…兄貴…」


とポソリと言った。


俺の故郷の国の景色だと解かって、俺と一緒に静かに見てくれた。


〈ありがとな、サラ〉


たった数分の里帰り気分を味わい、


よし、コレも買うぞ!


となって、大散財してから、


ゆっくり観光したら帰りたく無くなるので、


仕方なく〈ロゼリアの町〉を目指して馬車を走らせた。


その日の夜、十四歳に成ったばかりの少女に、イイ子イイ子され、優しさと情けなさで泣いたのは師弟の間の秘密だ。




また半月かけてガイルス辺境伯領にもどり、ベンさんに小言を貰ったあと、


街作りの準備に取りかかる。


まずは、ペータさんを始め、バロンマヨネーズ商会に所属する木工職人さんに、お勉強会を開催して〈二級土木魔法師〉を目指して貰う。〈一級土木魔法師〉が取れればラッキーだが、最悪でも基礎工事が出来る職人が数名ほしい。


ついでにガルドさんもお勉強してもらっている。


そして俺はサラと、


ノーラさんの同僚女騎士〈サクラさん〉〈アンさん〉の二名と、


旧帝国男爵領メンバーで弓使いの猟師の〈ヤングさん〉と〈マーズさん〉を連れて〈山ネズミ〉狩りをしに、工房の新作幌馬車二台で向う事にし、


まずは屋敷で〈ネズ〉を送喚する事にした。


〈旦那ぁ、オイラ要らなくなりましたか?

パーシー坊、何とか言ってくれよ。〉


と騒いでいる。


パーシー君は、


「旦那様の決めた事だから仕方ないよ。」


?あれ会話してる?


「パーシー君〈ネズ〉と話せる?」


と聞くと、


「何となくですが…」


と答えたので、すぐに冒険者ギルドにスキル鑑定をパーシー君に受けて貰うと、


元から有った〈植物鑑定〉にあわせて、

〈採取〉という状態良く素材を採取出来るスキルと、

〈テイマー〉が有った。


凄い、〈ネズ〉と一緒に庭師事していたらテイマーが生えたのか。


山岳地帯から帰ったら〈ネズ〉を正式にパーシー君に譲ろう。


と考えながら、


「ネズ、召喚無しで馬車でお屋敷に来て貰う為だよ。」


そ説明し、納得させてから送喚した。



やっと準備の整った俺たちは、

幌馬車二台は山ネズミ大乱獲祭り向かった。


魔石を集めるのと、ネズを召喚せずにロゼリアまでつれて帰る為だ。



女騎士さん達と猟師さんのお手並み拝見だな。

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