　———浅原大河とノンノノがステージ袖に下がり、そして、浅原波奈々とトゥエルブが登壇し会場が沸く。

「おっ！　浅原さんだ」

「トゥエルブの番か……そう言えば、浅原兄って……どうなった？」

「浅原さん可愛いよなー」

　二人は所定の場所に着いてスタンバイをする。トゥエルブも浅原さんも顔は出している。トゥエルブは勿論だが、浅原さんの表情に緊張の色は見られない。

　skyが再びマイクを取る。

「二人目のゲストはキーボード、ノンノノに変わって波奈々！」

　”ピラララララララララ……ジャンジャン♫“

　浅原さんは鍵盤に手を滑らせそして鍵盤を叩いて挨拶をした。

「おおおおおぉぉぉぉ――――！」

「ばななちゃーん♡」

「やっぱ可愛いわ」

　skyはそのままステージを進行する。

「それじゃあ二曲目！」

　”カッカッカッカッ♪”

「♬―♪♩―♪♬♪♩―♩―――♬………（ﾃｨﾛﾃｨﾛﾃｨﾛﾃｨﾛﾃｨﾃｨﾛﾛ♪ﾃｨﾘﾗﾃｨﾘﾗﾃｨﾘﾗﾃｨﾘﾗ♬ｳｨｳｨ）」

　二曲目は私の歌とギターで始まる。

　Ａメロはギターの音だけだから大人しめの印象だが、Ｂメロから一気に弾けて勢いが増す。

　―――Ｂメロ。ドラム、ベース、キーボードのメロディーが重なる。

　”♬―♩―♪―♬♪♩…………

　”ボボボン♪　ボンボン♩　ボボボン♬…………

　”ドゥフドゥフドゥフドゥフドゥフ♫…………

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ！！！！！！！！」

　ここで会場が一気に湧き上がる。そして私の声も跳ね上がる♫

　ギターが少し弾け始めた。すると―――キーボードもそれに乗ってきている。浅原さんに目をやると、凄くリラックスして指が鍵盤を弾（はじ）いている。その音に私の声はさらに上がる。なんだかノンノノとは違う種類の歌いやすい音だ。

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