第094話.正解のルートを探せ
ワタシとニックが影を追いかけて、夕日に染まる天空の桟橋をテクテクと歩き始めて。あれから30分くらい経った後でしょうか……
【んー、どしたのー?】
ニックが何気にワタシを気にします。何故ならワタシ、先程から首をやたら捻ってるから。
うーん、さっきからワタシの中で
「ねぇニックさん、桟橋を歩いて何か可怪しいって感じません? 何て言うか、余りに順調に行き過ぎてるって言いますか……」
ニックは天空の桟橋の上を、首を伸ばして隅から隅まで見てみます。
右を見て……左を見て……
ニックは肩を窄めブルルッと顔を震わせた後、ちょこんと首を傾げてワタシを見ます。
【何がー?】
「『妖精王』って、確かこう仰ってませんでしたか? …… “行く手を阻む仕掛けは、出口に近付くほど激しさを増します” って。激しくなるどころか、仕掛け自体見かけましたか?」
ニックは、ブンブンと首を横に振ります。
【いやー、見かけてなーい!】
「本当にコレ、正しいルートなんでしょうか? 別ルートが他に隠されてるとか、無いですかね? 例えば目に見えないだけで、でも確かにそこに存在する筈のルートとか……」
2人は、立ち止まって辺りをキョロキョロ見回します。ニックがより高い視点から周りを見る為にパタパタ飛び立とうとしたその時、いつもより強い横風に煽られ
その時、後退りしたニックに向かっていきなり中空から何かが叩き付けて来たんです!!!
ドムっ!ドムっ!!ドドムっ!!!
【う……ウワワワワー!!!】
ニック、叩き付けを2発までは避ける事が出来ました。でも叩き付けのインターバルが段々短くなり、3発目は避けるのが間に合いません!
なので、ニックは口から獄炎を吐き出して迎撃したんです。北の漁村にある『グランプス』のアジトで披露した、あの “火焔弾” です!
ゴ……ッ! ドッパァァン!
叩き付けを止め、火焔弾の煙から姿を現したモノを見て。ワタシ、ゴクリと息を呑みます。
「風の……尻尾……???」
でも、ニックとこの尻尾との一連の出来事を見て……ワタシの推論は確信へと変わります。そして頷きつつ、こう言い放ったんです!
「ニックさんのお陰で、正解のルートが分かりました。正解はね、
そう言いながらワタシ、ある一点を指差して。一体、「こっち」って……何処だと思います?
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