第092話.無限回廊の謎を解く

 するとニックは此処でお尻をぷりぷり、急に先生ぶりまして。そして、ワタシにこんな事を聞いて来たんです。



【ねぇお姉ちゃん、“胸キュン♡流格闘術” がだいぶ板に付いて来たでしょー? なら “気” の操り方もさ、随分と馴れて来た頃なんじゃなーい?】



 ワタシ達2人が共に凄いのはね、何とお互いシンクロした瞬間にはもう既に2人ともこの問題の解決策を導き終わってる点なんですよ!



【だから、そろそろ気を “探る” 事だって出来ると思うんだよねー!】



 ワタシは目を閉じ、空中でエア “頭ポンポン♡” をしてみます。手のひらから、じわぁっと “神気” が溢れ出し流れ込んで来るのを感じます。


 ワタシは集中して、自分が手のひらから広げた “神気” の行く先を探って見ると……何やら、放出した大量の神気が全てある一点に向かって流れ込む様なイメージを感じ取りました。


「ニックさん、あそこ、あの陽射しがキラキラと眩しく反射してる所にワタシの放出した神気が集結してます! あそこに、何かが有るみたいですよ!」


 さっそくワタシとニックは柱の道の一点、柱と柱の間から陽射しの反射が不自然に多いと感じたポイントに到着しました。ワタシが、その付近を念入りに注意深くキョロキョロ探してみると……


 すると陽射しの反射で全く見えなかった所に、隠し部屋に繋がるレンガボタンを見つけたんです。柱と同色になっていて、巧妙に隠されてたみたいです。


 でも、いくら見えない様に隠しても不自然な凸凹がある分だけどうしても陽射しが乱反射してしまうんです。


「でもこんなの、よく注意深く見ていても見落としてしまいますよ」



【この神殿、こーゆー造りばかりなのー?】



 ニックが、ほへーって驚いた顔をしてワタシに聞きます。ワタシも、ウンウンと頷きます。


「これでは、『精霊王』を誰も見た事無いのも分かる気がしますね」


 でも、こんな場所の何処に隠し部屋があるんでしょう……?試しにワタシがレンガボタンを押してみると、いきなり空間に “長方形の黒い四角” が出現したんです!


 どうやら、奥へと繋がる通路みたいですね。この黒い通路、ニックを先頭にして入る事にしましょう。


 なぜならニックはフェアリーバード、火の精霊を身に宿してるので常に明るく「松明」要らずだからなんです!




コツ……コツ……コツ……コツ……




 どうやら、柱の道と黒い通路ではまた足音の響き方が違う様なんです。音の反響は無く、ただ不気味に靴音のみが聞こえるだけでして……?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る