第087話.眼の前に或る奇跡①
偶然とは云え、知らず知らずの内にワタシのシャンパンゴールドの神気の帯を直接握ってしまった……イヌのきぐるみさん。
結果的に、ワタシの全開の神気をモロに浴びる事になってしまい……あれれっ? みるみる内に顔に赤みが差し、生気に満ち溢れて行くではありませんか!
『あ……え……?』×2
イヌのきぐるみさんも、突如見視える様になった目の前のシャンパンゴールドの帯にビックリしてるみたいです!
イヌのきぐるみさんにワタシ、より親しく声を掛けた方が良いって思ったんです……。でも……うーん……
よく考えたらこの子、何て名前なんでしょう? ワタシ知らなくて、テヘっ♪ だから咄嗟に、口からこう出たんです。
「えーっとぉ……
気を抜くとイヌさんの手のひらを伝ってシャンパンゴールドの帯が滑り落ち、パァ……っとイヌさんの視界から泡の様に帯が消えてしまいそうになります。
なので帯が完全に消えてしまって場所が分からなくなる直前に、まだ手のひらに残ってるのを確認して慌ててもう一度握り直します。
自分の手のひらを、じ……っ。再びシャンパンゴールドの帯を、じ……っ。目視出来たのを確認してから、イヌさんはワタシの問いにコクコク頷きます。
「どうやら、この帯を直接握ってる時だけ……視えるみたいです!」
イヌさんってば、今や喋り方もしっかりしてますよ!
「イヌさん、この帯を次の人、ネコのきぐるみさんかヒツジのきぐるみさんに渡して下さい!」
イヌさんは、次にネコのきぐるみさんの手のひらにワタシの神気の帯をしっかりと、でも確実に握らせます。
「目の前、なーんにも視えないでしょ? でも、確かに此処に帯があるの! ワタシを信じて! コレ、放さず握ってて!」
いえ、視えて無いモノをコレって言われてもねぇ……とネコのきぐるみさんも、ヒツジのきぐるみさんも困惑顔。
「いえ、イヌさん。
……!!!
そこでネコとヒツジのきぐるみさん達にもイヌさんと同じ呼び方をしてあげる事で、2人ともシャッキリ再起動! イヌさんは、ネコちゃんの手のひらにひょいと神気の帯を乗せます。
すると見えない帯を手のひらに乗せたネコちゃんも、青白かった顔が活き活きと輝き出したでは有りませんか!
そして最後に、神気の帯をヒツジたんの手のひらへ乗せたんです。
すると3人に、更にとんでも無い事が……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます