第082❀.再会を約束した2人


トクン……



 ワタシはその話を聞き、自分がフィリルを守ってあげなくちゃ!ってより母性が湧いて来るのを感じたんです。


「えへへ、今日のお近付きの印に……アカリさんにイイ事教えてあげるねぇ~☆」


 余程ワタシ、両方のフィリルから気に入って貰えてたみたいですね。


「本来、フィリルの本体は『清楚モード』がベースで、後から生まれたのが私なのっ」


 そしてフィリルと親友になる為の、とても大切な情報を授かったんです!


「だから、もし私が目を覚ました時に最初から『にゃんモード』で居たのなら……相手を認めて依存してる証拠なのぉ~!」


 それと、もうひとつ……とフィリルは人差し指をフリフリしながら言葉を繋げます。


「だからアカリさん、早くもうひとりの『清楚モード』に認められる様に頑張ってねぇ~!」




 それから、どうやら本当はこの後のコレが本題だったみたいで……


「因みに『インフィニティー』はね、自分の身体に “水” を取り込まないと発動出来ないのぉ~☆ でも水だったら、飲んでも浴びてもOKだからねぇ~」


 言いたくて言いたくて仕方が無かった様です。ふ~ん、フィリルったら……その為にミストシャワーを浴びたんですね、フフッ。



「 “レアスキル” の類いはね、より強力で在れば在る程……発動条件が付加されるのよぉ~」











 あっ、この能力に インフィニティー は時間制限が有るみたいですね。“精神体” が、霧の様になって消えて無くなったんです。


 そして、フィリルは気が付いてスクッと立ち上がり、縛った髪をほどきました。


「ふうっ、ようやく元に戻れましたわ」


 いい?と人差し指をピッと上に向け、ワタシの顔を覗き込みました。その時のフィリルの顔、何だかとても嬉しそうです。


「 “レアスキル” は、それだけ発動効果が優秀って事なんですの。因みに、この事を知ってるのは私の『仲間』だけなんですからねっ!」


 ワタシ、フィリルから自分の事を『仲間』と言って貰えてとても嬉しいです。溢れ出る様なニコニコ顔が、隣のニックには堪らなく映ります。



【こういう「秘密の共有」をすると、仲間意識の結束に大いに役に立つんだよねー。だけど……秘密の話の割にはフィリル、楽しそうだねー】



「じゃあ私、ミントセキュリティサービスに戻って事後処理をして来ますわ! いつか、アカリさんと一緒に旅したいですの。では、また再会を願って!」


『いてら~!』×2


 フィリルはツカツカと歩き、階段に足をかけた所で手をフリフリするワタシに振り向いてこう言ったんです!



「また会えますよね、アカリさん……いいえ、神さま・・・?」



















 するとワタシは、空中に左手の親指と人差し指を “くの字” に伸ばして翳します。


 すると、左手からピンクゴールドの帯が出て来ました。そして、帯の端が次々とサクラの花びらに変化したんです。


「きっと、また会えますよ!」


 そのまま、翳した左手を時計回りにゆっくりと “くの字” の指で弧をなぞり大きく動かすと……ワタシの姿がサクラの花びらに包まれます。


「いえ、どれだけかかってもアナタを迎えに行きます!」


 最後は半身で “くの字” の指を顔の右下に当てて、小顔を強調しながら今度こそビシッと決めたんです!




「だってワタシ……『日本一アキラメの悪い女神』ですからっ♡」

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