第064話.魔法陣の見破り方!

 早く、ニックと階段から地下へ降りたくて。でもこの魔法陣、どんな魔法が掛けられてるか分からないので迂闊に踏み込む事は危険です。



ごくっ……。



 試しに、ワタシは偵察トカゲを使って魔方陣を跨がせてみました。すると、偵察トカゲが魔方陣を跨いだ途端……何と、一瞬でシュンッと姿を消してしまったんです!



【“転移魔法の類い”、かなー?】



「何処かに飛ばされるのならまだしも、“異次元の狭間行き”なんてヤですからね……」


 ワタシは、ぷうっと頬を膨らませます。



【お姉ちゃん、イイ事を教えてあげるねー! 実は、どんな系統の魔方陣かが分かる方法があるんでーす】



「どんな方法ですか、ニックさん?」



【もしも転移魔法『エスケープ』なら、無属性魔法の魔方陣だよー。もしもお姉ちゃんの言う異次元の狭間に飛ばされる魔法、『ディメンション=ホール』なら闇属性魔法の魔方陣だよー】


【無属性魔法か闇属性魔法か、どちらの魔方陣かを見分ける方法はねー】



 ニックは、部屋の隅に落ちていた枯れ葉を1枚嘴でくわえてワタシに渡します。



【この枯れ葉を、魔方陣へ向けて宙を泳がせてみてー。もしも無属性魔法なら、そのまま消えて無くなるよー。もしも闇属性魔法なら、ボロボロと腐ってくからねー】



 ワタシはニックに促されて、枯れ葉を魔方陣へ向けてヒュッとスライドさせてみます。


 ヒラヒラと舞う落ち葉が魔方陣の上を通過した途端、何といきなり炭化してボロボロと腐ってしまったんです!



【これで、この魔方陣は『ディメンション=ホール』だって事が判明したねー】











【この魔方陣が闇属性魔法だって分かれば、ちゃんとそれに応じた対処方法もあるからねー】



 そして、ニックはワタシと共に魔方陣の傍にやって来ました。



【闇属性魔法なら、それに相反する光属性魔法で中和する事が出来るんだよー! ちなみに、火属性に相反するのは氷属性、土属性に相反するのは水属性ねー】


【本来なら光属性魔法をこの魔方陣に直接ぶつけるのがセオリーなんだけど、お姉ちゃんの場合はもっと簡単な方法があるのー。お姉ちゃん、手を翳してみてー】



 そう言われて、ワタシは魔方陣に向かってそ~っと手を翳してみました。魔方陣に近付くと、何かにバチッと弾かれます。



【お姉ちゃん、その位置感を覚えてねー。その位置で、壁ドン♡を発動してみてー!】



 ワタシは手のひらのバチッバチッと弾く様な感触をガマンしながら気を集中させて、


「……壁ドン♡!」


と神気を放出してみたんです!


 するとどうでしょう……神気の放出口となった手のひらの位置を起点として、そこから拡がる様に巨大な魔方陣がスーッと消えて無くなって行くではありませんか!




 ワタシは日本っていう、魔法とは縁の無い世界から転移して来た女の子なのに、何で魔法が使えたのかしら……?











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【う・ん・ち・く♡】魔法陣の系統判別方法



 魔法陣の系統判別方法として一般的によく用いられるのは、枯れ葉を魔方陣へスライドさせる手法です。


・もし火属性魔法なら、メラメラ燃え尽きます。

・もし水属性魔法なら、ビショビショになります。

・もし土属性魔法なら、サラサラと砂に還ります。

・もし氷属性魔法なら、カチンコチンに凍ります。

・もし無属性魔法なら、そのまま消え無くなります。


・もし闇属性魔法なら、炭化しボロボロ腐ります。

・もし光属性魔法なら、枯れ葉から若葉へ生まれ変わります。



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