第054話.『ピント団』構想!
それよりも、ワタシがそんな中途半端な処から降臨してしまったツケが……
どうやら皺寄せとして、長老さん達キュルムの町の皆さんの生活に影響してるみたいなんです。本当に申し訳無いです。
「その新しいモンスター達に商人達の行商路が潰されたり商隊が襲われたりしての、ワシらの生活に深刻な影響を与え続けておるんじゃよ」
でも、だからって泣き寝入りをしないのが長老さんの凄い所です。何と……
「直ぐに手を打ったわい。白い巫女様の意志を継ぎし者同士、手と手を取り合う事にしたんじゃ」
驚異の行動力、統率力です! 何処から湧き出て来るんです、そのバイタリティ?
「それこそ5大陸を股に駆ける巨大商業ギルド、『
「あの、“ピント団”って……何なんですか?」
「ピント団、というのはじゃな……中心メンバーは、キュルミーが着るきぐるみの“
此れこそ、先程ワタシの事を『宝の持ち腐れ』って言って退けてた根拠ですよね……たぶん。
「だから『白い巫女』様の着てたきぐるみ、すなわちそなたが今着ておる“キュイぐるみ”を皆神聖視しておるんじゃ」
「だからきぐるみの中でもウサギが最高位に位置付けられており、この土地の言葉でピント様と呼ばれておるんじゃ」
はぁ……だからさっきワタシが着てるキュイぐるみを見て、皆さん異様なテンションになっていたんですね。
「そなたもあの中央広場の掲示板に貼って有るモノを見たじゃろ? あの『ピンクの兎のステッカー』こそ、ピント団の象徴なのじゃ」
あ、そのステッカーはさっき長老さんが持ってたラム酒のビンにも描かれてましたよね……
「此処を拠点に出来ない理由は、周りの町村にもピント団構想を広め薦める過程に有ったみたいでの。どうやら、この構想に異を唱える者達が存在する様なんじゃよ」
ピント団に対抗し、構想に異を唱える人達は自らを『
「主に盗賊団が中心らしいんじゃが、そいつらに利権絡みで損してる者達まで複雑に絡み付き……あちこち紛争を起こしておるらしいんじゃよ」
「個人的なスキルだけで集団的な戦闘力を持たないワシらは、ジリジリと後退を余儀無くされておるのが現状なんじゃ」
長老さんの話では、盗賊団などの敵対勢力に押され気味で困窮極まってるらしいんです。
もし戦争に巻き込まれたりでもしたら、キュルムの町だって何時戦場と化すか……分かったものでは在りません。
『常在戦場』。確かにこの町で、最低限の寝床と食事しか用意出来ない理由は納得しました。
それと同時に、そよ風と共に桜の花弁の匂いもすうっと漂って来て。ワタシの脳内でその匂いが声無き声となり、桜の大樹の意志を伝えます。
女神になるって どう云う事か
飾らない言葉で 『覚悟』を示して
今はまだ、答えは出せなくて。此の町の人達の為に、例え微力でも良いです。ワタシに何か出来る事、無いでしょうか?
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此の町で出すワタシの結論が、今後の
ワタシはどう考え、どんな結論を導き出しどんな行動を取るんでしょう?
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