第050話.神聖な白、人々の輪
ワタシは『アムタラのお話』を通してお姉さんから、この異世界についての実に興味深い伝承話を聞く事が出来ました。
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・「地上界」と「天界」、そしてもうひとつの世界と3つの世界が存在してる事
・アムタラと云う女神さまが「天界」を創った事
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また、そんな伝承話を何故お姉さんが知っていたのか……その答えも、ワタシは何となく想像が付いてしまいました。
たぶん予想では、あの話の『7人の弾き子達』の末裔のひとりこそ……このリーダーのお姉さんなんだと思うんです。それを裏付けるだけのカリスマも。
でも旅の出会いと別れって一期一会、何時の日かお姉さんは真相をワタシに話してくれるでしょうか? いえ、たぶん無理でしょう。
この楽器の澄んだ音色みたいに……空に舞ったら溶けて消えるだけですから。
ならば楽器の音色をじっくりココロに刻み付けようと静かに耳を傾けたワタシ。瞳を閉じココロをゆっくり落ち着かせ、或る事を呟きました。
「そう云えばこの町って、やたら白い建物が多くて……神聖な雰囲気が滲み出てましたよね」
何故なら町に在る建物の多くが白を基調としており、町全体の調和が取れてるから。そして白を纏ってる人も比較的に多いので、結果的に何処を見ても必ず白が目に付くんです。
統一感のある街……嫌いでは無いですよ。ポイント、高いですね♪
【きぐるみ信仰で、最も尊ばれる色が白なんだってー。女神も白い衣を羽織ってるって、此処では伝わってるそーだよー】
暫く経ってから、ゆっくり瞳を開けると……ニックの姿が何処にも居なくなってて。その代わり座楽団を囲む様に、何時の間にかキュルムの町民の大半が集まってます。
ワイワイワイ……ガヤガヤガヤ……
右手前ではお互いの肩を組み、男性同士で酒を呑み交わしてるのが見えます。
音楽にはココロの扉を開く魅力が有り、酒には男の友情を育む魔力が含まれてるので……だから、男性は腹を割って自ら本心を曝け出す事が出来るんでしょう。
ペチャクチャ……キャイキャイ……
左奥では女性同士で大きく輪を囲んで、会話に華を咲かせてます。
女性は男性と比べて右脳と左脳の橋渡しをする脳梁がブッ太くて、両方の脳をフル活用して“思考”をブン回す事が出来るので……
だから女性は一日中でも会話する事が出来る、と聞いた事が有ります。
キュルムの町のお姉さん達も、かぐら座の“弾き子”の皆さんも、とにかく喋るのが大好きみたいですね。
おっとっと……♪おっとっと……♪
向こうでは、酒を呑んで酔っ払った方々がニックと一緒にお馬鹿なダンスを踊ってるみたい。此方は、酔うと
あの方もこの方も皆、誰もが晴れやかなイイ顔をしてるでは在りませんか!
一度打ち解ける事さえ出来れば、後はこんなものなんですよね。でも何故か皆、“きぐるみ”は着たままなんですけどね……
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ニックはどうして、こんなにもきぐるみ信仰に詳しいんでしょう?
その答えはもっとこの町と親交を深めた後、ある人物により明らかに。
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