第2章.妖精王
第0節. プロローグ ( 朱璃視点 )
第037話.第1異世界人、発見
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【あらすじ】
“次元の歪み”を通って異世界へとやって来た、ワタシとニック。
其処で最初に出会った異世界の
【舞台】 異世界 ( 地上界 )
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少し斜め上の方の上空に出現した“黒い瘴気が滲み出るヒビ”から、ワタシは女の子座りのまま吐き出されて。
……んぺっ!
此処は『地上界』と呼ばれる、日本とは違う異世界。2人とも空中に、ニックはくるくると横回転してます。
【あそこ見て、お姉ちゃん!】
陰気に包まれた森の向こう、何やらゴソゴソ動く人影が在ります。どうやら、盗賊団の輩達みたいですね。
森と麻の群生地が同居する中、まるでマングローブの木の根元みたいな木の
この近くに、町が在るんでしょうか? いえいえ、其れよりも盗賊団が町娘を捕まえてどうするんでしょう?
「ニックさん、無事に“次元の歪み”を抜ける事が出来たみたいですね!」
【お姉ちゃん、この異世界では“次元の歪み”の事を『ワープホール』って言うのー!】
どうやら人数は盗賊団が5人、町娘の皆さんが4人ですね。計画通り町娘を拉致した「勝利の美酒」で全員酒を煽っておりベロンベロンです。
酒徳利をガンガン叩いて盛り上がってたへべれけな盗賊団、用を足しに千鳥足のまま5人揃い草むらへ向かう様ですね。
シャーッ……
「ん、何か夜空がキラリ光ったよーな……流れ星かな? うぃー、ひっく」
呑気に夜空を見上げた5人組。暫くすると、その正体が判明して。きぐるみを着た
浴びせ倒し……?
フライングボディープレス……?
思わず5人の盗賊団は皆、ゴロンと揉んどり打ちます。
【お姉ちゃん、群生してる
「その方が良いかも、ですね」
盗賊団の人達をガン無視して、ワタシ達は2人だけの世界で盛り上がります。
「あ?……なんだぁオメェはぁ?」
「アレが黒い瘴気のヒビを通って、どっかに飛んで行ったと思ったら。今度は、小娘が落ちて来たぜぇ?」
今度は、盗賊団の方が何故かニックだけガン無視します。ワタシ、朱璃……此処ではアカリでしたね、だけ商品価値があると値踏みしたのでしょうか?
「この小娘も、オレ達がかっ拐っちまうかぁ?」
「構わねぇよなぁ!」
盗賊たちに好き放題言われ、ワタシはカチンと来ました。
「アナタ達、ワタシを“かっ拐っちまおう”ってどういう了見ですか!」
「だってオレ達、泣く子も黙る盗賊団『メフィスト』なんだから。当たり前じゃん……」
ひゅうぅぅぅ~
うん、当たり前の返答ですね。確かに場もシラけますよ。此れにはワタシも、顔を真っ赤にしながら……
「あ、アナタ達をクッションにしたワタシも悪いですけど……ふ、不可抗力ですから、コレ!」
ニックも、ぷうっとふくれっ面です。笛吹ケトルみたいに、頭からピーッピーッと湯気が立ってます!
【ねーねー、お姉ちゃんもそこの人達もそーなんだけどさー。ボクだけ蚊帳の外なの、どーしてよー?】
このグダグダなやり取りに、黙って聞いていた盗賊団の親分もついに……
「えぇぃっ、問答無用だぁっ! みんなぁ、やっちまえっ!」
……『情けは無用』って事ですか。でも若干1名、
それに、この窃盗団の人達は……弱い! 先程ガーゴイルとの熾烈な闘いを生き残った事が、ワタシにとって大きな自信に繋がってるんですね。
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